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柏崎刈羽の教訓がなければ、福島事故で東京は壊滅していた 新潟県知事が語る再稼働問題(1)

2013年10月8日19時54分

柏崎刈羽の教訓がなければ、福島事故で東京は壊滅していた 新潟県知事が語る再稼働問題(1)

新規制基準に適合しても、大量放出が防げるかは疑問

さらに説明がないところで困っておりますが、規制基準に適合すると冷却材喪失事故が起きても放射能の大量放出が防げるのかという説明がありません。例えばですね、福島事故で最大の放射能放出源となったのは、2号機です。なぜ2号機でですね、最も放射能を放出したかというと格納容器が壊れたからです。では、なぜ格納容器が壊れたのかというとベントが失敗したからです。なぜベントができなかったというのかというところを、原因として解明して、そして対策を取らなければまた同じことが起きるのではないかと懸念しています。ベントができない理由は技術的な問題のほかに社会的な制約もあり得ます。1号機がですね、津波から24時間で爆発したかという点です。ベントをして圧力を下げて冷却をすれば爆発には至らないはずです。


3月11日に津波がありましたが、3月12日の午前1時未明ですね、午前1時の官房長官の会見まで政府がTEPCOに対してベントを止めていたという事実(リンク先:国会事故調 政府事故調)がございます。なぜ止めたかというと、ベントをすると放射性物質が飛び散りますので住民避難が確認をしないといけなかったからです。でも、運転手ならだれでも知っている話なんですが、冷却材を喪失すると最短2時間でメルトダウンを起こします。すなわちですね、3月11日の夕方の5時の段階までに手をうっておく必要があったわけです。実際、午後5時の段階3月11日に、吉田所長から消防注水の指示が出ています。そしてですね、この時に進展予測もされていまして、東電の中ではあと1時間すなわち6時過ぎにはメルトダウンが始まるという進展予測がすでに出されていました。


しかしながらですね、このメルトダウンが明らかにされるのは2か月かかりました(リンク先 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110516/219989/ )。つまりですね、TEPCOは嘘をつく企業であります。そしてですね、現在に至るもだれの指示で嘘ついたのかという説明をしません。これはもう数年たたないと結果は出ないかもしれませんが、原発事故以降ですね、新潟県で甲状腺がんの確認がされたお子さん一人だけです。福島ではすでに18人にがんが確定しさらに25、6人のですね、極めて濃厚な報告がされています。新潟県も専門家の皆さんに評価をお願いしていますが、当初は原発事故の判断できないという評価だったんですか、今は原発事故は否定できないという評価と聞いています。 (筆者注: ソースは現在、不明)


その外ですね、使用済み核燃料をどうするのか。ヨウ素剤の服用の副作用どうするのか。様々な問題を残しております。また日本では所管する役所によって、自然災害を所管する役所と原子力災害を所管する役所と違っております。このためですね、原子力災害と自然災害が別法体系になって、別の事務局が行うということになります。結果としてですね、原子力事故の避難指示は総理が出し、自然災害(の避難指示)は市町村長が出すことになります。この結果が、統一的な避難行動が取れなくなったということです。


もう質問の時間取りたいのでこれでやめますが、検証すべき事項を並べてありますので、こういったことを本来は検証した上NRAが説明すべきだと思っています。広瀬社長がですね、汚染水が確認された日、すなわち参議院選挙の翌日にしゃべられた言葉が印象的で忘れられません。広瀬社長はですね、汚染水の公表遅れに対して、その理由をたずねられて3.11の教訓が学べなかったとお話しております。過去の経験に学べない企業が原子力のオペレーションができるのか不安でなりません。どうもご清聴ありがとうございました。


(取材:石井鉱人 8月28日 文:江藤貴紀,本多穂波10月7日)


 

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