現在ですね、政府の安全規制を担うのが原子力規制委員会ということになりますけども、原子力規制委員会は立地自治体からの意見自治体に関して全く耳を貸さない状態になっています。そもそもですね、原子力規制委員会はいざ事故が起きた時の対策をとることができる機能を持っています。ですが、この原災法に基づくですね、地域住民の避難の責任をおう自治体行政がわかる委員が一人も入っていません。原子力発電の安全というのは、原子力発電所の性能だけでなくて、その組織をどういうふうに運営するのか、法規制はどうするのか、周りからのサポートをどうするか、ということがなければ安全は確保できないと思います。
原子力規制委員会はですね、原発の性能基準の審査のみを任務にして自らの役割を狭めようとしてるように見えます。スライドご覧にいただきたいのですが、原子力規制委員会の設置法のなかで、原子力規制委員会には原子力利用に関する安全確保に関することが最初にその任務に挙げられています。そうしてその(注:4条の)第2項においてですね。原子力利用における安全の確保に関する事故について勧告する権限も持っています。 http://www.nsr.go.jp/nra/gaiyou/about.html
次のスライドお願いします。これはですね、原子力規制委員会の回答をまとめた物で、ちょっと特徴的なところをご説明します。上から2番目なんですけども、炉規法(注:原子炉等規制法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S32/S32HO166.html )にさだめる規制基準じゃなくてですね、事故が起きた場合にオフサイトはどう対応すべきか。それから、労働規制を超える被曝をする際にどうするのか。原子力法制度について法整備をしてほしいという質問をしたところですね、新規制基準に関係ないと言って対応してくれません。
そして、原子炉が危険な状態になった時に限られた時間の中で重大な判断をするときに誰が責任を持って判断をするの。このNRA(注:原子力規制委員会)なのか国なのか原理力発電所長なのか社長なのかこういった手順を明らかにしてほしいとていうお願いをしたところ、これも新規制基準に関係ないというお返事でした。さらに3月の田中委員長の記者会見でいざという時に住民避難に責任を持つ立地自治体からの質問について、いちいち答える責任は義務はないという回答を田中委員長はしています。
これはNRAが経済産業省の事業者行政をやっていた保安院の時の原子力安全・保安院の経験を引きずっているからではないかと想像しています。わたし自身経済産業省で2度、資源エネルギー庁に勤務しました。そして、経済省の職員ていうのはですね、若いころから自動車行政はするのですが自治体とか住民と向き合う機会がないというのは肌身に感じて分かっております。住民の安全を守るぞという使命感を持たない組織が安全を確保するというは困難ではないかと危惧しています。
これは福島第一原発事故の後の懸念なんですけども、現在フィルターベントの工事を東京電力が行っています。先ほどお話しした通り建屋とこの付属の施設を離すと配管が外れる危険があります。フィルターベントが地震で外れるとですね、中の放射能が出てくるのではないかと心配しています。中越沖地震の経験があるにもかかわらず、また県から何度要請しても、東京電力は先にですね、フィルターベントの基礎をつくってしまったせいか、この原子炉建屋と離れたところにつくったものをもう一度一体化させるというのを拒否しつづけております。これはですね、汚染水の問題が福島原発事故直後から指摘されていたにもかかわらず、現在まで放置されていたと同じ背景があると感じられます。
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