先日、広瀬東電社長と会談したときになぜ自治体と相談して安全制を高めないのかと問うたときに、これは経営問題であるという答えが返ってきました。広瀬社長の頭の9割は福島の賠償と資金調達というお話も聞いていますけど、こういった企業に安全な原子力発電所が経営できるのか少し疑問に感じています。目先のお金を優先してですね、安全対策を怠って自らの首を絞めるということが続けばですね、これはいったん破たん処理をするというのも選択肢の一つではないかと感じ始めています。
フィルターベントについてなんですけども、これは規制委員会によって設置が義務付けられています。ヨーロッパでは同じ方式をとっていますけども、アメリカでは必ずしも義務づけられていません。理由はですね、一つには、原子力発電所の安全確保をするためには、止める冷やす閉じ込めるという措置をやればいいわけです。この3つで安全性が確保できますので、放射能を飛散させないようにクーリングをすればフィルターベントが必須設備にはなってないと背景があると聞いております。実際に米国はですね、2001年の同時多発テロのあとですね、航空機テロが原発に対して行われた場合の検討が行われたと強調しております。この時NRCがだした結論はb.5.bという全米にどこでテロがあっても2時間以内に軍が駆けつけて冷却するという仕組みを作り上げることだったという風に理解しています。
日本ではですね、いざという時にクールダウンする仕組みも制度も人もいないということになっております。そして、アメリカですね、フィルターベントを義務付けなかった理由のもう一つは住民からの被爆のリスクによる反対があったと聞いております。新潟県ではですね、避難訓練、原子力災害を想定した避難訓練を実施しました。即時避難区域、半径5キロなんですけども、柏崎刈羽原発の周りには約2万人の人が住んでいます。わずか400人が参加しただけの避難訓練で大渋滞が発生して円滑な非難ができませんでした。実際にですね、福島原発の事故では福島市の方向に避難している途中、車の中でですね、大変大勢の人が被ばくする結果になったと承知をしております。規制基準をですね、クリアすればいいというものではなくてですね、やはり住民の被ばくをどのように避けるかという観点の検討が必要だと考えています。
次に日本ではですね、これまで政府は原子力事故は起きないという説明をしてきました。規制委員会ではこれを反省をして一定の確率で事故が起きるという前提にたっています。それ自体はいいことなんですけども、一定の確率で事故が起きる基準、これはあくまでも規制基準であって安全基準にはなっていないということであります。つまり、過酷事故が起きた際に事故をどう収束させるかという仕組みをもたずに、一定の確率で事故が起きるということで責任が回避されれば、そこで起きた損害はすべて立地地域の住民に負担としてのしかかることになります。実際福島からですね大勢の人が新潟に今避難してこられています。しかしながらですね、公共事業によって住宅を取り壊されるとか、それから船が壊れるとか補償してもらえる金額とは比べものになられないぐらい少額でしか賠償金をもらっておりません。結局、多くの新潟県民には事故は起きるものであり、事故が起きたらその責任は国も企業も取らずに、結局しわ寄せを全部住人に向けるのねという風にしか見えておりません。
福島事故の原因は何かと問うたときにですね、津波事故とか電源喪失事故っていうことで終わらせようとする風潮が大変強いことも懸念しております。福島原発事故の本質は冷却材喪失事故でございます。津波もですね電源喪失もきっかけにすぎません。実際ですね、例がいくつかありますが、津波でなくても冷却材を喪失する可能性があるわけです。先ほど申し上げたテロの可能性もありますし、ロシアを通過した隕石を見ると直撃しなくても建屋が壊れる可能性があると思います。