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佐藤優氏ら、日本のインテリジェンスと対中戦略を語る

2013年9月22日01時25分

佐藤優氏ら、日本のインテリジェンスと対中戦略を語る

ナチス憲法って存在しなかった

話を戻しますと、この麻生さんの話なんですがだいたいナチス憲法って存在しないんですよ。しかしどうもナチス憲法があると思っている。ただ、麻生さんはアメリカとイギリスに留学しているんですよ。スタンフォードと、ロンドン・スクールオブ・エコノミクス。そんなこと知らないと誰も思っていない訳ですね。知っているのにわざと言っているんだと思っているんですよ。


しかしその翌日、小松一郎フランス大使、元外務省の国際法局長が、内閣法制局長官になられます。そしてこの人は今までずうっと憲法違反だと言っていたところの、集団的自衛権について、前向きな考えをしている。これ、一部の新聞、特に読売新聞中心に出ましたよね。おそらく、関係筋の誰かが、『これ、やべえ』と。『麻生の話だけでかくなってんぞ。何か別の話で流れを変えよう。』となったんですよ。これが皆さん大失敗でした。どうしてか。『ははあ。麻生さんの考えてることはこれでよくわかる。』こういう風になるわけですよ。どうしてか。ちょっと話してみますね。


5年前、私は、密約問題を明らかにした吉野文六さんのところにいた。元ドイツ大使で元外務審議官の局長だった、当時アメリカの局長だった、彼のところに行ってたんですね。月に1回ずつ聞き取りに行ってて、5年前に行ったとき聞いたんですよ。『佐藤君。オットー・ケルロイターの本を読んだことありますか?』と。『いや、知りません。』と。『ちょうどミュンヘンに私が留学しているとき、要するに第二次大戦中ですよ。昭和17年ですよ。ミュンヘンにて、ケルロイターってのは非常に幅を利かしてた。このケルロイターは東京帝大の法学部でも交換教育として1年教鞭取ってたんですよ。このケルロイターのナチス憲法論ってのは非常におもしろい。だいたい吉野さんも言うようにナチス憲法つくってないですよね。そしたらケルロイターはこう言う思想だったんですよ』


憲法改正って大変だ。』と。だから憲法改正しないで実質的に憲法の内容を変えちゃえばいいんじゃない、と。日本でも本が出てるんですよ。岩波書店から1939年「オットー・ケルロイター ナチス憲法論」。翻訳をしているのが、矢部貞治、矢部先生ですね。中曽根総理に非常に強い影響を与えた人です。


 

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