国が前面に立って出るということは国が国費を投じるということです。国費を投入する、すなわち税金を投入することは、これが無防備になされていけません。したがって、政権においては技術的に困難なもの、技術的に非常に困難なものに、国費を投じるという条件が付されています。技術的に難易度が高い、かつて前例のないものだからこそ、凍土壁は国が作ることができる。
政府の報告書を見ると、凍土壁が不可能な場合は粘土壁でやるべきだとも書いています。まあこういう状況の中で、だから私は技術的に困難なものではなく、確実なもの在来の工法である粘土壁でやるべきではないかと、国会で質したのです。
お手元の資料の二枚目、これはイメージ図にありますが、これは原子炉建屋を囲む壁のイメージですが、これをチャレンジングな提案として凍土壁を作るとしても、同時に粘土壁も作るべきであると私は提案しました。三枚目はその断面図です。凍土壁の外側に粘土壁も作るべきだと私は提言しました。
しかしこれができないのは、先ほど申し上げた通り、技術的に難易度の低い在来の工法は国費を投じるということができないんです。だから国はこれをやらないのです。大変なお金がかかるので、できないというなら、これは1枚目の絵はこれでスティールシートウォールであれば1億円どころではなく、数千万円でもできるので、せめてこれだけでもやれと私は国会で提案しました。
こうした提言を私はしてきたのですが、そもそもなんで国がお金を出せないのかという点をふれておきます。民主党政権でじつは、2年半前に東電の救済スキームを作りました。原子力損害賠償機構法です。東京電力を、法的整理、私的処理、破綻処理、あるいは経営責任を問うことなく、現状で賠償を続けさせるという仕組みです。
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