―― あなたと、田中俊一原子力規制委員長や政府の人たちの関係性というのはいわば冷戦状態ですか。
泉田 これはですね、先程見ていただいた通り実は基準を作る段階から住民の安全を確保するための必要な項目をお願いしていたわけですけども、無視してつくられた体がありますのでやはり、あまり信頼関係が築けている状況ではないと思います。そしてまた、基準自身も、住民の懸念に応えられているものではないと思います。
別な言葉でいうとですね、仮に私がOKするとどうなるかというと説明責任を私が負います。穴だらけでとても住人に説明する自信がありません。
――再稼働の決定に重要なのは議会なんじゃないかと私は思うのです。しかし国の官僚が地方をバイパスして決定をすることが出来るんでしょうか。
2つ目に、もし再稼働した場合は原子炉の数はどうなるんでしょうか。複数の原子炉が同じ場所に立地していると復旧の際のリスクが高まるわけです。なので例えばドイツではですね、同じ場所に設置してよい原子炉の数はせいぜい2カ所だけですよ。
泉田 まずですね、2007年の時の経験で言いますと、日本の地方議会には地方自治法で議決すべき対象が限定されていますので、この再開問題は該当しないということで議会に議決を求める機会はつくれませんでした。
従いまして、先程ご説明した通り新潟県と原子力行政との関わりは電力会社との間にある安全協定だけです。したがって、執行機関、協定の当事者が最終的に態度を表明する仕組みなっています。
原子炉の数については、(多い方が危険という人もいれば)反対に、数が多ければ多いほど最後に電源が生き残る可能性が高いと言われる方もいます。したがって、どちらかがより安全なのかについては収束していないと理解しています。いずれにしても再稼働について議論するためには、やはり福島で何があってどういう対策をとったかというがどうですということが議論される後です。