もちろん、これ系の話題はその性質上、推論にならざるを得ないのは当然です。なので間違うこと自体は仕方がないと門外漢の私でも思います。しかしその間違い方が一方向にばかり偏っていたり、はたまたどうとでもとれる発言ばかりをしていると情報ソースとしてその結論に依拠できないよという風になっていきます。
たとえば小谷氏は上のリンクにある6月19日付けの記事でも「スノーデン氏のキャリアからすればそれほど膨大な部内情報を持っているというわけでもなさそうですので、邪推するとそろそろネタが尽きてきたということなのでしょうか。」と述べています。あんまり根拠となる情報も無いはずだった段階で、2回続けてスノーデン事件のインパクトを過小評価するというのは「ワザとやってるのか、この人は?」と思われてしまう訳です。
加えて言うと、情報分析についてポジショントークをする弊害はもう一つあります。それは、該当する情報を公にされる受けてとして予定されてる比較的知的なレベルの高い国内の層(たとえば東大卒の官僚や、基幹的な産業に幹部的な地位で携わる人達、およびステータスの高い資格保有者)まで、間違った情報につられてダメな判断をしてしまいます。これって「情報の政治化」(一般には政策決定者に対して、中立な情報が届けられずに情報のサイクルが失敗すること)のブロード版じゃないでしょうか?
最後に、気になるのは、自国にあんまり嬉しくないニュースが出てきたロシアですがこちらは実質的に政府系のロシア・トゥデイで意外にもなかなか正直にこのニュースを真っ当にスペースを割いて扱っていました。これでは日本のメディアはロシア以下ですか、となってしまいます。
自国に不利な情報を黙殺ばかりしているとさすがに肝心なときに、信用されなくなって失敗するというのは一般的な教訓です。アメリカとイギリスがイラク戦争のときにプロパガンダしすぎてシリアに(これは介入も正当化する余地があったと思われます)ちゃんと介入できなかった失敗を思い出させます。
まだデータがありません。