Q レーベルを運営されていることからも音楽の将来についてはどのような方向へいくと思いますか?例えばアイドル、インディビジュアルなアーティストとか。
A それはアイドルです。アイドルは自分で作詞作曲をやっていないので、いわゆる「作家ミュージック」なので私たちにコントロールしやすいからです。ただ、それに限ったことではなく、ロックバンドでもクラブミュージックでも、タワーレコードのバイヤーが聞いて売れるだろうと思ったものを出していきます。
Q 質問よろしいでしょうか。スイスのテレビ局に勤めているものです。日本のポップミュージックの創作性について、どう思いますか。日本の消費者は、アメリカやヨーロッパのミュージシャンと比べて業界プロデュースされたものを好んでいるのではないかと訝しんでいるのですが。そして、最後に、HMVはなぜ渋谷から消滅したのでしょう?
A 言葉の違いが大きいですね。しかし創作性については答えるのが難しいですね。またHMVが渋谷から消滅したのは、まず資本の問題が大きいんです。
また(タワーレコードの)渋谷や新宿の商品の発注は、本部で決めるのではなく、店舗スタッフが発注しています。彼らが商品の値段もラインナップも決めている。それがほかのチェーンとずいぶん違うところだと思います。HMVさんは、非常に社としてのコントロールが強いところでしたので、そこが私たちとずいぶん違ったところだと思います。
私たちの創設者、ラストソロモンが言ったように、ブランドはグローバルに、しかしビジネスはローカルにです。大阪、新宿、渋谷でそれぞれの好みに基づいてやるということです。どこのお店に行っても同じというお店は、成功しないのではないかと私たちは思っています。
Q 社長ご自身、アイドルが大好きということで、アイドルレーベルを立ち上げていますが、AKBの系列に代表される日本のアイドルブームはどれくらい続くと思いますか?
一過性のものでしょうか、それとも文化として根付くと思いますか?
A 僕個人としては、ブームで終わってほしくないという立場があります。ただ、こう長くピークが長く続いているのはまれな時代だなとアイドルファンとして思っています。昔のモーニング娘のようなイメージとは違って、アイドルは多様化してます。アイドル層が分厚くなっているので、例えAKBがピークに来ているとしても、まだ数年アイドルブームは続き、そして文化としても根付くと思っています。
【取材:坂本嶺 文:江藤貴紀】
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