では、タワーレコードがこれまでどういう販売戦略をとってきたか。それは、CDはただ置いていて売れるものではないということです。たとえば渋谷店を昨年は10億円かけて改装などしました。そのテーマは、これは2つの要素があり、まずエンターテイメント性ですね。そして、ライブ、これは物理的に音楽コンテンツにふれられるということです。
今年では店頭で700回のインストアイベントの開催を企画していて、毎日数度のイベントを行っています。そうやってお客さんを店に呼び、そのイベントをどう外に配信するかというと、例えば渋谷店は、9階の全ての階層の様子をユーストリームで流せる体制をとっています。SNSを最大活用して、タワレコの渋谷に来た事のない人に、どういうお店なのかを伝えていかないともう人はお店に来てくれないだろうという時代なので、そういうことに特化したお店です。
毎日、お店に来て飽きないいわゆるライブがあったり、アーティストの衣装展示、握手イベントなどの情報をSNSで発信していけば人が来てくれるだろうという目論見です。
こういった戦略は効果をみせ、前年比で110パーセントの来客数を誇っています。
そういった、アマゾンやeコマースに出来ないサービスをどう提供していくかということと、それをネット上で公表していくことで売り上げも好調に移行しています。そうやって私たちは差別化を図るんです。全部のお店でそういうイベントを行うことではないが、この渋谷フラッグシップストアのイベントを際立たせることで、タワーレコードのブランディングを進めていこうと思っています。
ただもう一つ、私たちの戦略で力を入れているのは、eコマースです。店舗の売り上げが好調といっても、顧客の流れがオンラインに移っているのは確かです。タワーレコードではなくて、市場全体の話ですが、DVDについては、eコマースの方が、もうすでにリアルの2倍以上売れています。CDに関して、eコマースは店頭の半分ぐらいの売り上げですが、eコマースのシェア拡大はすごいスピードだから、そのうちCDは抜かれるでしょう.
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