Q 記者 握手券、ハンドシェイキングチケットという話があったが、それは演奏を行わないで、握手して写真にサインをして付加価値をつけているのですか?
A うちでは、ライブがあることもあれば握手のみで、演奏をやらないこともあります。形は一つではないです。しかしAKBでは、タワレコだけでなく全国中で握手という方法にしています。それで、どれくらい売れるかというと、一昨日のイベント例でいうと300人を2回やって、1000枚くらい売れますね。だから1人2枚とか3枚300人を枚くらいです。
記者 それは良い商売ですね。
社長 ええ。それでシェイクハンズ(握手)をする(笑)
記者 握手(笑)
通訳さん 「いろんな形のビジネスが・・・あっ、すいません」
音楽関係の権利者が、デジタル配信の妨げになっている事情?
Q さきほどのスピーチの中に日本での音楽配信の売り上げの話がありました。しかしそれに加えて、権利側が許諾を降ろさないのが音楽配信の進まない理由だと思うのです。
なぜ、それにあなたは触れなかったのですか?(注:通訳さんはこの部分を日本語訳していない。しかし嶺脇氏は英語をよく解するので理解していたと思われる。)
A 正直、その通りです。日本では音楽関係の権利が、複数のところにわたって共有されている。なので配信をしようとしてもレコード会社の一存では決められない。そして消費者が欲しいものが、配信に載ってこない。それが大きい理由だと僕も思います。
Q 再販制度という日本独自のビジネススタイルについて話がありましたが、これは音楽配信には適用されないですよね。
A はい。配信は対象外ですね。あくまでもCDのみが再販制度の対象です。
Q オリコンの売り上げトップ100のうち72がアイドルのものということだが、これはタワレコのほうではどうなっていますか?また、独自の音楽レーベルを育てていくというお話があったがこれはいかがでしょう?
A アイドルの売上率は低いです。たとえば、全国でAKBが100万枚売れているとすると、タワーレコードでは10万枚、10%くらいです。タワーレコードの強いところというのは、日本のインディーズですね。ミスターチルドレンとか、RADWIMPSとか、オルタナティブ・ロックの売り上げが非常に多い。逆に、非常に苦手なのが先に挙げました山下達郎さんだとかですね。なぜかというと、おそらくオルタナティブ・ロックに強いという、タワーレコードのイメージというのが80年代、90年代からまだ引きずられているのかなと思います。そういったところ、その流行に左右されない商品が売れるというのがタワーの強みですね。
レーベルに関してはアイドルとロックレーベルを自社で設立しています。メーカーから仕入れたCDを販売するだけのショップではないという戦略です。
レーベルを設立するメリットというのは、やはり権利問題です。実はタワレコは権利を所有するというビジネスを20年前から取り組んでいますが、なかなか成功と呼べるような結果はだせていません。そしてまだ実験段階でもあり、難しい面もありますが、勝算はあると考えています。
今後も、ぼくたちが聴いていいと感じたアマチュアを積極的に発掘してタワーレコードレーベルのアーティストとして各店舗でプッシュしていきたいと思っています。
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