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京都府警 2013年以降、LINE等を公務で使用禁止と指定 情報公開請求で判明

2015年1月30日01時14分
カテゴリ:国内

京都府警 2013年以降、LINE等を公務で使用禁止と指定 情報公開請求で判明



京都府警がLINEの業務での使用を禁止していること等が、本紙による京都府への情報公開請求で分かった。公開された文書の中で個人保有の携帯電話を業務にも使用する場合の許可手続とその場合の規律が記載されており、それに拠ればLINEの業務上での使用(注1*)は遅くとも、平成25年12月20日付けで京都府警察本部長が出したスマートホンなどの使用に関係する通達と、それを受けて定められた内規である要領によって規制されている。


ただし、公務で使用する端末に対するLINEのインストールや、プライベートでの利用は禁止されていないことも今回の情報公開請求により判明。しかしながら、昨年のファクタ7月号によるLINEの韓国政府傍受報道を受けた後には、新たに平成26年9月1日付けで「情報管理課6−27」文書により、「LINEの電話帳等に警察職員の情報を登録する場合は、必要最小限度に止める」こと「第三者が警察職員とわかる情報は、LINEに入力、登録等しない」との注意が付されるようになっている。


ファクタ報道との関係は不明だが、その影響を受けてこの文書が発令された可能性はある。


公務でのLINE使用に関しては、各国で政府による対応がこれまで別れていた。タイの警察当局が業務連絡にLINEを使用しているとの報道が複数あった一方で、昨年には台湾で政府機関がLINEの使用を禁止したことを発表するなど各国で対応が別れていた。


しかしながら今回明らかになった文書に拠れば、日本の(建前上は都道府県別に別れているが、実質的には警察キャリアをトップにいただき、全国的に統一性の高い指揮命令系統にある点からして)全国の警察当局は平成25年から公務ではLINE使用を禁止していたということになりそうである。


その理由は、もちろんセキュリティ上の問題と思われ、またその措置自体は正しいのかもしれないが他の日本国政府機関において同様の規程が存在していたかどうか、秘密保護のためのセキュリティ情報共有が組織を横断して適切になされていたかどうかは別の課題として上がってくることになると思われる(この点について調べる場合は、やはり他の政府機関に対して、LINEの使用を制限する規定を記した文書の情報公開請求をすればよい)。



加えて、開示された文書によればキャリアメール以外のメールあるいはアプリによる連絡も公務では禁止となっている。もっともプライベートにおける電話帳や連絡先の取扱、登録については、LINE以外のアプリケーションソフトやフリーメールでどのように京都府警が規制していたか今回に開示された文書からは不明である(それらを確認するには改めて情報公開請求を行う必要がある。あるいは場合によっては警察としては、LINEのみを特別に危険視しているわけではなく、キャリアメール以外の通信サービスの危険性を同等と考えていたかもしれない)。


しかし電話帳に警察官関係者と分かる情報を入れることを避けるように指示している点からすれば、LINEへは特別な注意を払ってる様に思われる。電話帳データ(LINE社のコンピューターに保管されると思われる)へ警察官関係者の情報を入れないようにするというのは、(1)LINE社自体が警察情報を収集、どこかへ提供しているだとか(2)内部犯行、あるいは外部からのサイバー攻撃などで電話帳データが漏洩することを前提した規律だからである。


そういう意味合いにおいては、本記事のタイトルはことさらLINEのみを取り上げてミスリードという批判もあり得るところかもしれない。だが、昨年11月にちょうど京都府警の公安警察官が、京大に立ち入ったところを大学生らに取り押さえられてその現場でLINEによって他の警察官との連絡をしていたというスキャンダルがあったので、組織としてはあくまで京都府警がLINEの業務使用を禁止していたということを確かめる意味でこのタイトルにしてある(実際にこの規律が守られていたかどうかは、公開された情報からはやはり断定できない)。


なお、最後に気にかかるのは「「電子メールで送受信した『業務使用』に係る情報は、用済み後は速やかに削除しなければならない」とされる箇所である。これは、組織の機密保持の観点からは望ましい一方で、刑事裁判における証拠の保全や、公文書の保管という方向性とは真っ向から対立するポリシーである(例えばだが、後世に教訓を残すべき歴史的な事件が起きた場合の史料が消去されてしまう、ということがあり得る)。



(今回、開示された通達の一部。平成25年12月20日付けだが、ほぼ1年後の平成26年末日に廃棄することとなっている。)


文書の保管よりも秘密保持を優先するというのが、第二次大戦以前からの、日本政府の組織風土という見方もありえるところ、その傍証がこの様な形でも現れているのは興味深い。なお念のためだが、今回に公開された文書でメールを破棄するように定めている場合は、個人所有のスマートフォンを業務に用いているケースについてであり、京都府警がPCなどで送受信したメール一般についての規程ではない。


(注1*)開示された文書に拠れば「原則」は禁止とされている。だが京都府警のサイバー犯罪対策課が全国の警察当局の中でも特にサイバー犯罪の摘発に熱心であり、またおそらく人員も充実しているとおぼしき点などからすると、おそらく捜査の必要上、あるいは少年非行の状況を把握するなどのためにLINEへなんらかの形で職員がアクセスすること自体は禁じられていないと思われる。

また、それ以前の使用制限状況についての文書は、今回は開示されていないがそもそも規制が存在していなかったのかそれとも、過去の文書として既に廃棄されているのか(今回、公開された文書も保存期限は2年程度の定めである)などは不明。


【江藤貴紀】


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