海外で日本酒がブームという報道をよく最近みかける。なのでちょっとでも貿易や日本酒に興味のある人ならば日本酒の輸出がこれから「当たる」かもと考えるのではないか(筆者もそうである)。
でもすこし検討してみるとすぐわかるが、日本酒の輸出は簡単ではない。輸送時の温度変化や時間経過に伴う品質劣化、各国ごとに異なる通関手続き(米国では州ごとに違う)など、多くの障害があることがわかる。だが、日本酒輸出を専門にしている企業「イーピーズィエンタープライズ合同会社」( http://sake-exporter.com/jp/) (2006年創業)があった。
小誌ではこの極めて高いハードルに挑もうとしている同社の姿勢に関心を抱き、取材を申し込んだ。
ただ、結果は取材拒否に終わる。同社の中野陽介社長 のお返事は「テレビ局などのメジャーなメディアも含めて国内からは取材申し込みが殺到しているがいっさいお断りしている」であった。
お断りを受けること自体は、仕方が無い。しかしこのお答え方には率直に、違和感を感じた。通常の企業では、露出機会を得ることにメリットを感じる。消費者向けの場合には認知度の向上が、売り上げの増加に直結する。そうでなく、BtoB(法人同士の取引)であっても、新興企業や新しいビジネスモデルのベンチャーは、メディア登場による信用性の増加には多大なメリットを感じる。人材のリクルーティングを考えても知名度の増加は重要なポイントである。
もっとも、一歩譲ってかんがえると①エコーニュースは新興のメディアで影響力が少ないだろうから相手にしている暇がないであるとか、②取材のフリをした広告の売り込み(体験談:会社を立ち上げると実に多くこれがきて辟易します。) を疑われたのかもしれない。だけれども「一切の国内メディアの取材を拒否」というのは、あまり普通ではないだろう。(もっとも一部の資格職では、露出することで品位が下がると考えて全く宣伝をうたなかったり一見さんお断りの場合もある。)
しかし、同社はかなり凝った華やかなウェブページを使って事業内容をアピールしているし、フリーダイヤルの番号まで費用をかけて所有して集客を募っている。情報を自社から出すことには積極的なのだ。しかし一方で取材は全面的に拒否。これは、ビジネス内容についてつっこんで報道されることに(時間のロス以外の)デメリットをを持っているのではないかという直感的な疑問が浮かんだ。
そこで、実際に日本酒の同社による輸出はどれほどの実績があるのかを考えてみた。
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