現在、1億8100万人の月間アクティブユーザー数を公称しているLINEで、実際には通話もメッセージもしなくてもアプリケーションソフトがアカウントへログインの動作をする場合が分かった。通話、メッセージを使わなくても、アクティブユーザーとしてカウントされている疑いがある。
LINE社は子会社とともに、ゲームソフト27種類をリリース。また、マルウェア対策ソフトのLINE アンチウイルスや、コミュニティサービスのLINE PLAY、さらに天気情報などアプリを、18種類展開をしている。
ゲーム作品には、ミッキーマウスやくまのプーさん等かわいらしいキャラクターを使ったパズルゲームの「LINE ディズニー ツムツム」などがあり、この「TSUM TSUM」だけでも2014年の10月時点で3000万のダウンロード数であると報道されている。
LINEと類似した競合の通話・メッセージアプリのサービスとして、アメリカのWhatsAppと中国WeChatなどがあるが、2014年の11月時点でウィーチャットとワッツアップの月アクティブユーザーは4億人と5億人となっており、LINEは水を開けられていると指摘されていた。
ところがLINEの場合は、上記のような関係アプリやゲームソフトなどを多数リリースしているところ、これらのソフトを利用するときには、アカウントへ自動ログインすることになっている。そのため、仮にこれらのゲームなどだけをした場合にも、アクティブユーザーとカウントされている可能性がある。そうすると、ワッツアップなどとは違う土俵で計上されていることになり、実際の通信アプリケーションサービスとしてのユーザー数が公称数に反映されていないことになる。
例えばこのツムツムについて見てみると、基本的にはいわゆる落ちゲー(古くはテトリスやぷよぷよなどがある)というジャンルのパズルゲームだが、ログインすると毎日インセンティブがある仕組みをとっている。すなわち基本料金は無料なものの、あるていど連続してプレーする際のポイントや、得点を高くするためのアイテムなどを購入するのにジェルやコインと呼ばれるポイントが必要になる。
これらのポイントは現金で購入することも可能(携帯料金とまとめてなど、請求される)である。しかしログインしたり、あるいは知り合いをアプリに勧誘することで手に入れることも出来る(つまり、間接的には友人の電話帳などの情報をLINE社に提供すればするほど見返りに、ゲームのポイントを利用出来るという仕組み)。
以上をまとめると、(1)LINEのアクティブユーザー数はゲームのみの利用者数もカウントしている可能性があり(この点は、LINE社に質問したものの、否定も肯定もされず何の応答もいただいていない)、(2)またユーザーはゲームを安く遊ぶためにネズミ算的に知り合いをLINEのサービスへ招待することで、他人の個人情報をLINE社へ提供する間接的なインセンティブを持たされている。
なおツムツムなどゲーム自体は、フリーズなどがたまに見られるものの私見ではよく出来ており、キャラクターの版権料も含めて開発のために相当なコストを投資するという判断をLINEは行っていると思われる。インターフェイスやデザインも可愛くてよく出来ているが、実際には友人・知人の個人情報と、ゲームのポイント料金を等価交換することを促す仕組みとなっている。
そうして、LINE社は媒体資料で広告プランの際にこれらのユーザー数を売りにしているが、各種の独特に洗練された方法で算出された数字である可能性を取引先企業の担当者は念頭に置いておかないと、広告費を払うときの期待と違う成果しか得られない恐れがある。
(LINE社媒体資料より)
*注1 LINEと同様のゲームアプリについてはLINEの親会社ネイバーの共同創業者で、アメリカFBIにJFK空港で2012年に身柄拘束を受けたキムボムス氏の立ち上げたアプリ・カカオトーク(LINEよりも1年早く通話・メッセージサービスをリリース)も出している。どちらも名前は違うが、実際には極めて似たようなことをやっている同じルーツのサービスである(筆者が昨年、出張で調べたところ、韓国の人の名刺ではLINEとカカオトークのIDとロゴをそろえてかいてあったりすることが多い。特に説明がなくても。似たようなものであるという類似性はユーザーに意識されているのだろう)
*注2 LINE社の言い分としては「LINEは通話とメッセージに留まらない総合的なウェブサービスのプラットフォームだ」というものがあるのかもしれないが、ともかくアクティブユーザーの算定基準については明確に示してもらわないと、どれだけ普及しているかの指標としては十分に参考にならない。
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【江藤貴紀】
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