もっとも日本ではアルカイダの勢力がほとんどなくてあんまり問題にならないという考え方もあるけれどーーオウム真理教事件のようにテロ自体はしばしば起きているから、完全に他人ごととは言い切れない。
一般的に言ってテロリズム、特に最悪の場合の核テロについては9.11事件後にとくに脅威の念がつよくなってる。「今後、原子力関係のテロが生じるのは間違いがない。問題はいつ、どこかで生じるにすぎない(ハーバード大学公共政策大学院・初代学長グレアム・アリソン氏の「核テロ」参照)という見方が安全保障の専門家の間では支配的だ。
治安および安全保障のために政府がもったほうがいい権力と、それに対する市民の自由をどうやって保っていけばいいのかという問題はむかしからあるとても重要な議論のテーマだ。たしかに、アルカイダが身近の問題じゃないかもしれないと言う考え方はある。でも「秘密保全法」の成立の是非については知る権利と安全保障のどっちが大事かとかいって熱心に報道しているのでテロの脅威について無関心な訳じゃないのだ。その一方で、まさしくこの問題の生々しい例証であるこのMI5長官の発言を伝えないというのは、やや編集のバランスがおかしいと思われる。
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