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グーグル検索から「まとめサイト」が消えない理由 LINE社から半年で24億円の支払が影響か

2014年9月26日11時53分

グーグル検索から「まとめサイト」が消えない理由 LINE社から半年で24億円の支払が影響か

私企業であるGoogleが上客のLINEを優遇するのは当然〜当事者のモラルに期待するのは限界

 ところで、日本のネットユーザーからは、LINE社運営のNAVERまとめやライブドアブログを利用したいわゆる「まとめサイト」がGoogleの検索上位に来て、邪魔という不満がしばしば聞かれる。そしてこれらのサイトはほとんどが著作権法に違反しており、中には名誉毀損など、Googleのアフィリエイト広告が下記の通り禁止する内容を含むものも少なくない。


 そして、これらの事項への違反は検索順位を下げるペナルティを課すスパム認定の理由とされているとともに、アドセンス契約の、Google側からの一方的な解約事由として定められている。にも関わらず、腹を立てたネットユーザーや著作権者がGoogleへ通報しても広告が引き揚げられることは極めて少ない。これで多くのネットユーザーは首をかしげて、人によっては頑張って何度も何度もGoogleへ通報したりする。



(スパムサイトは非常に悪質であると考えている、というのがGoogleの建前である。これを信じてしまう人間が非常に多い)


 しかし、もしGoogleが言っていることが本当なら、LINE社の運営する、NAVERまとめや2ちゃんねるまとめサイトのライブドアブログがいつも検索上位に上がってきて、しかもグーグルの広告が剥がれないのはどうしてだろう。また、通報してもほとんどレスポンスがないのはなぜだろう。グーグルが、スパムサイトを巡回するプログラムの開発費やマンパワーで監視する人間を雇う人件費も捻出できないのが原因だろうか。


 筆者はむしろ「人間は嘘をつく」という当たり前の前提から出発するべきと考える。Googleを間違っても公平無私な存在と考えてはならず、自己の経済的効用を追求する私企業だという出発点に立つべきである(「Googleは表現の自由という価値を尊重しているから、細かい違反に目くじらを立てないのだ」などと勝手に解釈してあげるのは、「2ちゃんねるはボランティアが運営する個人掲示板」という考えと同じくらい筋が悪い。)現実を見ると、グーグルは建前と相違して非常に悪質なスパムサイトを検索でも上位に出している(これらのサイトが行うSEOのため上位に来ているといわれることがあるが、別にグーグルも手動でこれらのサイトを弾くくらいは簡単なはずである)。


 つまり、グーグルは経済の論理をネット上のモラルよりも優先していて、たまにアドセンスをクリックしたりする単なる養分のような一般ユーザーのクレームよりも、アプリ課金の手数料だけで半年に24億円を支払ってくれるビジネスパートナーのLINEが運営するサイトを優遇していると考えるべきである。Googleを神様のように考えて、必至に通報するのはナイーブ極まりない(グーグルが大企業だからとか、就職するのが難しいからと言った理由で信用するのは、誤りである。ウォール街金融機関の粉飾決算やら、研究者の論文ねつ造やら、官僚の汚職に、大手のフランチャイズチェーンが加盟者をカモにする商売など、エリートや大組織が悪知恵を働かせて悪事を働く事例はいくらでもある)。


 なお24億円というのは、アプリ事業だけからのLINE社のGoogleへの支払であり、アドセンス広告の利益配分額(これについては公表資料からは確定できない)を含めると、より多額の金銭をGoogleとLINE社は分け合っている。その24億円+αのおかげで一般ユーザーが大きな迷惑を被るとすると、これは市場の失敗である外部不経済の典型例だ。そして市場の失敗を解決するための方法は一般に、国家による介入であって、法に基づいて刑罰の執行(この場合は著作権法違反や名誉毀損の告訴事案について積極的に捜査・起訴すること)や、現行法を改正して高額なペナルティの規程を設けるなどである。


 ネットに対して政府が介入するというと、いかにも表現の自由などを浸食しそうでネガティブなイメージがある。だが各国の実践例を見ると欧州ではGoogleに対して、積極的な介入を行っている。また韓国でもGoogleストリートカーによる違法な通信傍受や、アンドロイド端末に関する不公正取引に対して、警察や公取がGoogle韓国法人へ合計3回の家宅捜索を実行した(なおうち一回は皮肉なことにLINEの親会社NAVERの告発に基づくものである)。ただ、NAVERは韓国政府との結びつきが強いので、LINEのサイトをスパム認定したらグーグルコリアを手入れされるという威嚇の意味もあったのかもしれない。

 

 LINEやGoogleのようなIT大手の横暴を止めるためには、我が国でも現行法の範囲内でより適切に行政機関が法を執行するとともに、場合によっては立法的な解決が必要となる。そのためには、これから立法府を左右する選挙の政策マターなどとしてGoogleやLINEなどIT大手への規制が持ち上がることが本当は望ましい。もっとも、このようなイシューは日本の政界で着目されるには複雑すぎると思われるかもしれないが、欧州で出来ていることが日本では不可能だとやる前から決めつける必要も無いだろう。


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*もっとも、以上の記事は昨年度にLINE社が多額の支払いをGoogleにしたというだけで、それ以前のLINE社運営サイトの検索順位とただちに結びつく訳ではないので、すべての時間軸を説明できるわけではない。しかしLINE社のアプリ売上が公称で上がっていることからすると、今後もGoogleとLINEの強いパートナーシップは継続して相変わらず検索の上位にはまとめサイトがたくさん来ると思われる。

 なお、費用の支払いが必ずしもビジネス上の友好関係に繋がるものではないが、「まとめサイト」には大量にグーグルなどの広告がぺたぺた貼ってあるので、グーグルにとってもまとめサイトが流行るのは、金銭的に悪い話ではない。またもし日本に強力なライバルがいるならともかく、現在の検索GOOGLE社、検索エンジンシェアは圧倒的なので、検索結果が多少汚れていてもそれでユーザから乗り換えられる心配も余りない。


**なお以上のリリースを元にすると、以前算定したまとめブログの売り上げに対する寄与度の上限は、前回の記事(12から60%とした)よりは下がることになる。


***半年で24億円というのは、グーグルにとってLINEへ特別な便宜を図るほどの金額なのかというもっともな疑問をたまわった。なので、グーグル日本法人の売上のうちどれぐらいがLINE社からか概算する。まずグーグルは世界全体での売上が年間5兆円であった。日本市場からの売り上げは不明だが、日本のGDPが世界で占める割合は8.2%なので、雑にこれとグーグルの世界売上に占める割合が比例している仮定すれば、約4100億円が日本での年間売上になる。そしてLINEがGoogle Playストアへ支払う手数料は半年で24億、年間に換算で48億となる。ここで、2013年の中央日報報道によるとLINE課金の売上のうち80%はまだ日本市場からなので、38億円強が日本での売上である。以上の概算額は大体グーグルの日本からの売上の1%弱に相当する。それにプラスしてネットでのアドセンス広告などが+αで存在する(額は不明)ため、Google日本法人にとって、LINEは1社単体としては十分に大きい顧客だろう。(9月29日追記)


 

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