Menu
エコーニュースR(2015年5月〜)はこちら

日立、ホットリンクと共に2ちゃんねると独占商用利用契約 PRISMも開発中

2014年5月18日01時49分

日立、ホットリンクと共に2ちゃんねると独占商用利用契約 PRISMも開発中

日立製作所社内カンパニーとして情報通信を担当する大企業日立システムズ(従業員数10851人、単独売上高3399億円)がホットリンク社と協力して2ちゃんねるとの独占商用利用契約を締結していることが匿名ネットユーザーらの調査で分かった。





(2013年9月24日付けのプレスリリースによれば「サービス開始」は2000年からとある。ホットリンクに事業を承継させたガーラ社は「正式な商用利用許諾契約は2003年から」と説明していたが、齟齬は生じないだろうか。)


協力企業のホットリンク社は自民党を顧客としており、2ちゃんねるの間接的なスポンサーが政府与党自民党であったことが国内でも問題視され始めた。今まで余り認知されて来なかったが、大手IT企業の協力を政府が得たインターネット監視や操作プログラムの導入は世界的な流れとなっているところだ。


例えば元CIA・NSA・DIA(国防総省諜報局)の元職員でDELLコンピュータ社員として身分偽装して日本に滞在したり、外国官として身分偽装してスイスで勤務していたことが明らかになったエドワード・スノーデン氏が昨年暴露したことで明らかになったアメリカ国家安全保障局(NSA)の大規模な通信傍受プログラムがその例である。代表的な仕組みの一つPRISMは2007年から開始されてMicrosoft、Yahoo!やFacebook、Appleといった代表的なIT企業のサーバから直接データを抜き取るNSAの極秘プログラムだ。その他にも米国政府は英国政府GCHQと協力してSNSやブログを使った世論操作プログラムを実施していたこともスノーデン氏のリーク資料より判明している。



(画像は英語版Wikipediaより。グレン・グリーンワルド記者によるスクープで、政府によるネット監視問題の代表的プログラムとして世界的な話題となった。)


日本においてもいわゆる大手企業によるいわゆるビッグデータ利用が話題となっているが、日立製作所の100%子会社であるグループ内の中枢企業が、麻薬特例法違反の容疑で警察からの家宅捜索を運営関連会社・未来検索ブラジルが受けている2ちゃんねると契約していたことが判明したことはネットユーザーに衝撃を与えている。


ところで日立製作所グループはPRISMと呼ばれる原子炉も開発している。(アメリカNSAのとは別物)。少し、これと合わせてネット世論監視・操作プログラムについて考えてみたい。まずプリズム型原子炉は福井県にあるもんじゅと同じく、ナトリウムを冷却装置に使った設計である。第4世代原子炉として、放射性廃棄物を減らす能力があるという、夢のような能力を期待されている。




(アメリカ政府NRCウェブサイトより)


ただ、ナトリウムを冷却剤に使ったタイプの原子炉は果たして事故に対応可能かが問題視されており、また福島第一事故以降に原子力発電自体の妥当性について議論がなされているが、今もPRISM計画は続行中である。


果たしてこのPRISMが技術的に可能かどうかは現時点では不明だが、もう一つのネット監視用PRISMは世論操作プログラムとともにアメリカ政府ですでに実用化されている。


この2つのPRISMプログラムを見比べて言えることは(1)科学的・工学的に可能な技術かどうかは分からないものがあるが、(2)それが果たして可能かについての世論調査と操作方法なら一定程度は実用化されていると言うことである。


実際のところ、福島事故の対応を見てもいま現在、復旧と一定の汚染回復にどれほどの金額が必要かは不明で原発の敷地内のグリーンフィールド化で1兆円であるとか全体的な除染で5兆円である等、さまざまな推計がある。そしてそもそもそれが可能かどうかや将来の原子力発電コストの議論がなかなか難しいが、その一因として事故リスクについての情報が公開されないことが挙げられる。


例えば、2011年に早くも民主党の野田総理(当時)の「事故収束宣言が割とそのまま報道された。また2013年には安倍晋三総理が2年間のカリフォルニア留学で習得した英語により「アンダーコントロール」と発表したが、いずれも根拠は不明瞭である。




(アメリカ情報公開法に基づく情報公開請求に対してアメリカ政府が2014年に筆者へ開示した、5本のワーストシナリオ。日本政府が最悪シナリオとして公表しているものよりも大量の放射性物質の飛散が気象条件を加味して予測されている。同種の悲観的推計が細かく日本政府から公表されたことはない。)


政府当局や当事者にとって都合の悪い事については、公式発表や大手メディアの報道があてにならないことがままある。もっとも、それらについて、率直な意見や議論を交換できる場の一つとしてインターネットであると期待されていた。しかし、日本におけるその意見交換の代表格で一日に200万件の書き込みがされるという2ちゃんねるについて、書き込み内容の有償削除サービスまで今年4月に匿名のネットユーザーらによって発見された。


このサービス内容などが虚偽でないとすると(1)実際の問題を工学的に解決することよりは(2)その問題から世論の関心をそらしたり不都合な意見を沈黙させる方が簡単そうであるという考え方も成り立ち得る。例えるなら、夏休みの最後の日にもなっても、まったく宿題が終わっていない勉強の嫌いな小学生が、宿題を実際にやりとげることよりも熱心に、先生へのいい訳や上手いところ提出しなくて済む方法を、熱心に考えようとするのに近いだろう。


なお筆者は別にPRISM(原子炉)を開発している日立製作所グループがホットリンク社の炎上防止サービスを利用して原子力発電に批判的な書き込みへ対処しようとしたとか、PRISM(ネット監視プログラム)のようなものも開発するのではないかとまで言っている訳ではない。だが選挙での当選を優先する政治家や政府の立場に立てば(!)世論監視や操作のプログラムを使って出来ないことを出来るように見せかけることを(2)技術的に不可能または極めて困難な課題へ実際に対処する選択肢の代わりに選ぶかもしれない。その方が安上がりで楽だからである。(感想論になるが、実際、福島事故以降の2ちゃんねるの書き込みは、2ちゃんねるを運営する未来検索ブラジルが監視業務を請け負うニコニコ動画とともに、妙に政府に都合の良いものだった。また、管理者が米軍出身のIT企業実業家ジム氏に変わった途端から2ちゃんねるで日本政府批判の意見が荒らされることがずいぶん減少したと考えている。)


19世紀の思想家ジョン・スチュアート・ミルは、人間には利己的に自己の利益を各人が追求する性向があるという前提に立ちながらも、代表者を選んで行なう民主政治における理性的な「討議の光」により真理が追求されることで、各人のエゴの衝突よりも優れた決定が出来ると考え、それによって政府からの自由が各人に確保されると考えていた。(代議制統治論について取れる解釈の例である。)しかしながら、監視プログラムや情報操作によって世論の光がねじ曲げられて、理性的な討議が機能すること自体が不可能になれば、それが保障してくれると期待されていた自由な社会像もまた成り立たなくなる恐れがある。


関連記事リンク1 大規模掲示板2ちゃんねる、 契約先の顧客には与党自民党


関連記事リンク2 2ちゃんねる・分裂事件 ひろゆき氏側がアメリカのサーバへDDoS型のサイバー攻撃(2014年4月22日)


関連記事リンク3 ニコニコ動画と2ちゃんねる関係企業に麻生・財務大臣の親族が役員就任中 政府からの支援で莫大な利潤 「政治教育」のビジネス像


関連記事リンク4 【政府後援事業】「出会い厨企画」に、未成年へのパチンコ教育 ニコニコ動画が取り戻す、日本の未来を握るひろゆき氏と麻生ファミリー


関連記事リンク5 「ニコニコ動画」の萎縮効果 大手動画サイトが造る表現と思想のディストピア


関連記事リンク6 ニコニコ動画、クライアントへ不都合な動画の削除サービス  好ましい投稿は流通させて収益を分配【個人は対象外】


関連記事リンク7 ニコニコ動画のコメント内容やアンケート結果が、個人情報とともに第三者へ提供される危険


関連記事リンク8 2ちゃんねる関係企業・未来検索ブラジルの社員名と担当業務が判明 パケットモンスター社へも海外送金


関連記事リンク9 ホットリンク社「2chデータは.netとsc双方から取得中」「西村氏らによれば、所有権の問題はない。弊社も同意見」


関連記事リンク10 ホットリンク社「『まとめブログ』は個人が無償で運営してるから、2ちゃんねると自社の独占契約を侵害しないんです】


関連記事リンク11 【日米同盟の光と陰】アメリカ国家安全保障会議の元高官が来日して異例の批判。秘密保護法と右傾化、集団的自衛権全てへ不快感【元米軍の2ちゃん占拠と同一時期】


 

人気記事ランキング
 

    まだデータがありません。

ページトップへ戻る