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2ちゃんねるビッグデータ2000年からの収集、証取市場で公開されず ガーラ・ホットリンクがインサイダーリスクを負う余地

2014年5月27日19時00分

2ちゃんねるビッグデータ2000年からの収集、証取市場で公開されず ガーラ・ホットリンクがインサイダーリスクを負う余地

2ちゃんねると書き込みデータについて独占商用利用許諾を結んでいるというホットリンク社の、保有するデータ取得時期が2000年からのものであることが分かった。従来はガーラ社のプレスリリースおよびITメディアの報道から、2ちゃんねるデータのガーラ社による収集は2003年からと思われていたが、そのような理解は誤っていたことになる。


これはホットリンク社より以前に2ちゃんねるのデータの商用利用契約をしており、その事業についていくつかの段階を経てホットリンクへ譲渡した(株)ガーラへ取材したところ、MINAKAMI YOKO氏からいただいた回答の情報である。


それによると、元ガーラバズ代表取締役・佐野氏に確認した情報として「2ちゃんねるの情報収集は、2000年のサービス開始当時から行っておりましたが、正式に2ちゃんねるの商用利用を開始したのはリリース後からとなります。」ということである。(ただ、「正式」でない商用利用ならばあったのか等の曖昧な点が残っているので、その後2回質問をしていて返答待ちである。)




(©WBS)

しかし、ホットリンク社については2ちゃんねる(www.2ch.net)を現在管理しているジム氏と契約を結んでいないとみられることから従来通り「5分間でクローリング」することは可能なのかという疑問も匿名のネットユーザからあがっている。


これらの点は投資家の判断に取って重要な情報であり、ホットリンク社(東証マザーズ上場)は東京証券取引所の定める「適時開示」事項にある「その他上場会社の運営、業務若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実」として、(1)データの取得時期と(2)現在の2ch.netについて以前通りの5分間おきにデータをサーバへ送ってもらうことが可能なのかを、速やかに開示する必要があると思われる。


このホットリンク社のデータ取得開始時期が判明したことで、以前J-CASTが報道したホットリンク株のインサイダー取引に該当し得る対象が拡大する。もしガーラ社やホットリンク社等の関係者が、ホットリンク社は2000年からの2ちゃんねるデータを保有していることを知りながら株式取引をしたとすると、「内部者情報」を利用していたことになるためである。




(インサイダー取引についての説明 エイチ・エス証券HPより)


なお、残る疑問が2つある。まず、なぜホットリンク社は2000年からの2ちゃんねるデータを保有していると昨日の成瀬COO発言まで発表していなかったのかである。これは自社に有利な情報であり、公表しておいた方が投資家の評価を高めることが出来たはずである。(逆に、発表がなされていないせいで、ガーラ社の以前リリースした2003年からの情報しか持っていないと、ホットリンクは保有するデータ量を過小評価されていた。)


加えて、ガーラ社も2000年8月に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現:東京証券取引所 JASDAQ)に上場していた企業だ。そして、もし規程があれば、多くの経営に関する情報の公開が義務づけられることになる。


例えば現在の東証では、上場会社の決定事実として(1)業務上の提携又は業務上の提携の解消や(2)新たな事業の開始(3)その他上場会社の運営、業務若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事項は、適宜のタイミングで公開しなければならない。また上場会社の発生事実としても(1)債務免除等の金融支援、(2)資源の発見、(3)その他上場会社の運営、業務若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実についても適時開示の定めがある。


以上は、株式市場で投資家に適切な情報を与えて取引の安全を守るための規程だ。


そのところ、以下の三つの疑問点が湧いてくる。従って追加質問したところガーラ社のMINAKAMI YOKO氏(漢字不詳)から5月15日に以下の回答を得た。


(1)まず、2003年のプレスリリース以前にガーラが上場していた証券市場には、現在の東証について上にあげたのと同種の規程はあったかと聞いた。すると、同種の規制があったということであった。(2)さらに、2ちゃんねるデータの2000年からの取得は、2003年の発表以前に開示すべき、適時開示事項に当たると認識していたかということを尋ねたところ、そうは考えていなかったというお返事だった。(3)そのため、2003年のプレスリリース以前には、2000年からの2ちゃんねるデータ取得という事実は開示をしていないということだった。


とすると、なぜ(関係者がガーラ株式を売買した場合の)インサイダー取引をさけるために適時開示を行なうという安全策を取らずに、2003年まで2ちゃんねるデータの取得を公表しなかったかという謎が筆者には浮かんできた。普通は適時開示かどうか怪しい事項がある場合には念のために公開すると思われるし、また取得しているデータの多さは自社に取って有利な情報だから出さないインセンティブが見当たらない。


もしこの点に合理的な説明ができるとすれば、2000年から2003年にかけての2ちゃんねるデータの取得という実態を知られることは、インサイダー取引による逮捕や上場廃止と言ったペナルティよりも問題であるとガーラ社および西村氏などの関係者が考えていたということではないだろうか。


 

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