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大規模掲示板2ちゃんねる・ボランティア制度のルーツは芸能界【自発的服従】

2014年6月7日07時36分

大規模掲示板2ちゃんねる・ボランティア制度のルーツは芸能界【自発的服従】

営利企業が連発する「ボランティア」募集への違和感

 では、ひろゆき氏とともに、2ちゃんねる関係企業の社長及び役員として成功した竹中氏は、現在経営するほかの会社でどのような方針を取っているのか。人間は「成功体験」があれば、それを次にも応用しようとするものであるから、2ちゃんねるの「後発組」として竹中氏が行なっているビジネスから2ちゃんねる的な発想を探ってみるのは意味がある。



ディジティミニミ社・名刺裏の中心にある音楽系企業OTOTOY社の募集要項では「アルバイト、開発委託、契約社員、正社員など」の他に「ボランティア・スタッフ」が募集されている。「ライター、フォトグラファー、イラストレーター、映像作家などなど、どんな分野のことでも構いません。」との記載が下にあり、要は無償で動く人ならどの分野の仕事でも歓迎しているようだ。ウェブサイトによれば代表取締役は竹中氏で、本社のオフィスは瀟洒な渋谷区松濤に立地する。


 今度は、短編アニメーション関係の会社、tampen.jp (タンペン ドット ジェーピー) を見てみよう。この運営は株式会社スーパーミルクカウと協同で行なわれるが、やはりボランティアが募集されている。(逆に、報酬の出る社員は募集されていない)ライターと英訳いずれについても未経験者歓迎とあるが、営利企業がタダ働きのみを求めるのは吝嗇な印象がある。また無料でやってくれる人の英訳は大丈夫か、なども心配である。ひょっとして、とにかくただでも何かやりますという服従する傾向の強いパーソナリティ(場合によっては、色々と他の仕事も言うことを聞いてくれそうである)を求めているのかもしれない。


 なおディジティミニミ本体が加入するニコニコ動画系のニコニコ研究会は、ニコニコ大百科(編集をするためには500円のニコニコ動画プレミアム会員にならなければならない)によると”従来から研究を推進してきたアカデミアとビジネスに加え、ユーザーの参加による研究の世界を構築しようというものです。「ユーザー参加型コンテンツ」にならって言えば、「ユーザー参加型研究」の世界を作り上げたいと考えています。ユーザーがコンテンツを作るのと同じように、ユーザーも研究をして、その成果を発表できます。”ということであるが、その成果からお金がユーザに配分されるとは言ってくれない。やり甲斐が報酬ですということだろうか。


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 これらを見ると実際に、2ちゃん運営企業の親会社ディジティミニミらが運営する2ちゃんねるファミリー企業は「ボランティア」で成り立つという意味で2ちゃんねるのコピー・ビジネスである。このような「ボランティア」へのこだわり(地域のために公園を掃除するとか、介護施設で音楽のレクリエーションを行うなどではなく、本来の業務に近い内容を、趣味でやってくれる人に投げることで人件費を浮かせるやり方)は、まさしく2ちゃんねるの応用である。そして職種の多くは「カメラマン、英訳、ライター」などと華やかなものが並ぶところなど、竹中氏のかつて関わった、表向きのきらびやかな芸能界の仕組みを彷彿とさせる。


 まとめあげると、2ちゃんねるの大規模ボランティアへのこだわりと現在のディジティミニミが、関連企業に持ち込んだビジネスモデルは、竹中氏の芸能キャリアに端を発するというのが筆者の見方だ。「研修」「修行中」や「ボランティア」という言葉で「何かになりたい」という夢を持っていたり、場合によっては寂しいのかもしれない人間を引きつける。その中に上下関係を持ち込み、競争心を煽る。(仮に、一部の人間に金をもらってやっている「サクラ」を置けば、上手いことにそれと同じくらい熱心に働こうとする者も現れてくる。)ときに起こる事件によって人の関心を引きつけて熱狂させて一体感を醸し出す。そして多くの人間が「夢を買わされる」引き換えに金銭的な報酬は胴元が独占する。


 

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