では次に、以上のような差別表現サイトへ広告を出すことで利潤を得ている事業者の側では規約とその運用はどうか。
まず、国内での通販シェアで大手となっているアマゾンはAmazonアソシエイト・プログラム運営規約2でプログラム参加要件の禁止事項として「人種、性別、宗教、国籍、身体障害、性的嗜好もしくは年齢による差別を奨励する、または差別的措置を採用するサイト。」を定め、また規約4で「参加要件や運営文書に記載された要件または制限に従っていない」かアマゾンがそのように判断する場合にアフィリエイト契約の解除、報酬の支払拒絶、あるいはその両方の措置をとることが出来るとされている。
しかし運用はザルであって、差別単語を露骨に含むサイト(しかもLINE社の運営するNAVERまとめ)に広告出稿を堂々としている。アマゾンは従業員の過酷な労働環境で知られるが、自社のビジネスパートナーであるアフィリエイト主に対してもちょっとは厳しくして、サイトの監視をする要員を割いてはどうか(実は追記しておくと、これらの企業へは規約違反の通報もできるのだが、経験上通報してもほとんどろくな処置がされないままのことが非常に多い。)。なお酷いことに、国内最大手ポータル、Yahoo!の広告もこのサイトには相乗りで乗っかっている。IT業界の各社が品に欠けている原因はよくわからない。
次に英語を社内公用語にするなど海外進出にとても熱心そうな楽天はどうだろう。楽天アフィリエイト規約を見てみると、第1条2で準用される楽天会員規約の第10条(禁止事項)で「第三者の権利、利益、名誉等を損ねること」や「公序良俗に反する行為」、そして「他の利用者その他の第三者に迷惑となる行為や不快感を抱かせる行為」が禁じられている。やや文言が抽象的で境界線が読み取りにくい書き方になっており、利用者にとってどんなことが禁止されるのかがハッキリ分かりにくい内容だが、少なくともヘイトスピーチで問題になる人種・国籍差別はこの中に包含されると読むのが通常である。
しかし、同社は自社のアフィリエイト広告(画面右上)を「楽天BLOG」で提供する有様で、もう論外なレベルである。
最後に、グーグルアドセンスの場合は、やはりAdSenseの禁止コンテンツの例として「特定の集団や個人への差別を助長したり、促したりするコンテンツを含むサイト」を上げているが、下記の通り露骨な差別表現サイトにも広告出稿を行なっている。
(画面下に、グーグルアドセンスのURLが確認出来る。)
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