米国NSAによる同盟国へのスパイプログラムについて、欧州で抗議が高まっています。今週、ドイツとフランスが抗議のために大使の引き上げを行なったのに引き続いて、スペインも駐米大使の引き上げを決定しました。
ドイツからは、イギリスBBC放送が報じました。同局はまた、有識者のコメントとしてドイツ、フランスなどは新しいスパイ同盟を結ぶ計画かもしれないという見解をと紹介。
それは歴史上は第二次世界大戦に結ばれた同盟関係にさかのぼるUKUSA協定(アメリカ国家安全保障局ことNSA・イギリス政府通信本部ことGCHQ・カナダ通信保安局ことCSEC・オーストラリア参謀本部国防信号局ことDSD・ニュージーランド政府通信保安局ことGCSB)のいわゆる 5 eys のようなものであると伝えています。
加えて、ドイツでは引き上げる大使の代わりに国内と海外担当の情報機関のトップ達が今回の件の調査のために米国を訪れる予定であるともBBCは述べています。
なおこれら抗議をしている国とは対照的に、NSAとスパイ関係で協力していたイギリスの首相に関しては「これまでも今後もその携帯電話の盗聴はない」と米国は発表しています。(筆者注:ドイツの首相については、別報道によると「今後は盗聴しない」としか言っていませんので、いままではやってきたことを婉曲に認めています)
以上のBBC報道からは、ドイツ「情報機関のトップ達(tops)」がどの機関の長らかは不明です。というのはドイツには、BfVこと連邦憲法擁護庁(日本語だとピンと来ませんが古めかしい言い回しだと「憲法」は「国体」という感じのニュアンスなので「国体擁護庁」と理解するといいかもしれません)と、BNDこと連邦情報局と、BFIこと情報セキュリティ庁が少なくとも情報機関として認識されているからです。ただ複数形なので、少なくとも2名以上の訪問が予定されているということになります。
日本ではいまのところ、自国の首相が米国に盗聴されたかどうかは確認もしておらず(菅・官房長官談話)、大使を引き上げることも予定しておらず、情報機関のトップが訪米する旨の報道もありません。(ただ情報機関に関しては訪米するという「情報」を出していないだけという可能性もあります)
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