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 新薬が出た途端に、医師の診断が変化する傾向?

2013年10月2日09時13分

 新薬が出た途端に、医師の診断が変化する傾向?

レセプトデータの蓄積が、仮説を検証する手がかり

幣紙としては、レセプト分析自体は、処方される薬剤の量等から注意深い推定を行えば、疫学、経済学その他の研究に有用なアプローチとかんがえております。しかしながら、①先日の記事は疫学調査として不適切な内容を精査せずに掲載したものであったことと、そのことにより読者の皆様に誤りである蓋然性の高い疫学上の情報を提供したことについて、深くお詫び申し上げます。


これからは誤謬を防ぐためにより精査した上での報道を行い、またこれまでと同様、問題点が発覚した報道については直ちに修正の記事を出させていただきます。また仮に何かしらの誤りが、弊社の記事にあった際にも、むしろそれはせっかくの好機と受け止めて、注意深い検証を行うことでそこからの知見を得るよういたします。


その後、もっともJMDCさんの側からは「男性のIBS診断が増えた理由を、イボリーの販売のみに帰責していいかどうかは検証の余地がある」という非常に大事なコメントをいただきました。確かに、実際に男性のIBSが統計を取っている間に本当に増加した可能性もまだ棄却はされていません。また、男性向けIBS治療薬のイボリーが販売されたことが転機となってそれまで見逃されていたIBSを医師が「発見」した可能性もあります(つまり、イボリーを処方するために便宜的に、「IBS」という診断名をレセプトに記載したとは言い切れない、ということです)。これらいずれも、棄却されておらず検証に値する論点であると本紙でも考えております。(10月4日、11時17分追記)


しかし強調したいのはデータの重要性という当たり前のことです。たとえば、医師たちが主張した「レセプト病名は、保険適応の処置をしたり薬を出すために便宜的に書くことが現場では多い。従って、レセプト記載の運用は必ずしも病名にそったものになっておらず、その記載は実際の疾患を正確に反映していると言えない」という主張は説得力があったものの、結果的に正しかったもののその主張の正しさのエビデンスとなったのは皮肉にも、今回のJMDCの研究だったということです。


 

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