今年6月のガーディアン紙報道による、米国プリズムプログラム(サーバーから直接データを抜くシステム)の発覚以降、インターネットの通信サービス分野でもそれを物理的に支えるサーバーを置くデータセンターの立地が、安全性確保の面でいままでになく重要になっている。
つまり、物理的にサーバに侵入されてデータを抜くという方法が広く認識された結果、アメリカ以外の国も(今までより)積極的にサーバへの直接侵入を傍受手段として取ることが考えられるからである。
そしてこの10月、東京ビッグサイトと幕張メッセでIT系の見本市が行なわれたが、その中で筆者の眼を引いたのは、国内の自治体によるデータセンターの誘致だ。現在、最も必要度が高く経済効率もよい公共事業はこのデータセンターかもしれない。
国内にある以上はおそらく物理的侵入による傍受に対するセキュリティ面での差異は大きくないといったん仮定すると、勝負は経済性や災害への安全性となる。ところが読売新聞報道によるように、現在は国内のデータセンターの54%が首都圏にあるとされており、東日本大震災の様な災害が起きたときには、この一極集中はバックアップ面での不安材料なのだ。
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