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「自由行動」で自由にしたら、怒られたーーー大御所を惹き付ける若手・奥監督の学生時代

2013年11月8日03時29分

「自由行動」で自由にしたら、怒られたーーー大御所を惹き付ける若手・奥監督の学生時代

萩尾望都から野田秀樹、内田春菊に宮藤官九郎ーーー性別と世代を超えた豪華な出演者で知られる監督奥秀太郎氏。いわゆる単館系でしかも若手にも関わらず20代から彼に人を引きつけ続けてきたものは何か。その魅力の基となっているかもしれない学生時代をたずねた。


江藤 基本的にはエリートですよね。高校まで開成です。すると小学校から何だかの進学塾に通っていて、入学すると模擬試験で名前の出ていた誰彼だね、と知っている同質性の高い世界と思うんですが。


奥 意外と開成に中学・高校と行っていると両極端がいるんですよ。ダメな人はダメだけど、それはそれで良い。教室の半分以上、頭のおかしい奴らが水をまいてめちゃくちゃになっている。より一層、中高一貫だから激しくなっちゃうんです。もちろん真面目に勉強している人もいるけれど、そういう人の割合はあんまり高くない。


意外にも規則がなかったというか、どこまでいって良いか分からないけどもみ消してくれることが多かった。あんまり学校にはいっていなくて僕は新学期が始まると自分の机を捨てていたんです。席は自由に選べて、誰がどこにいるか分からなくなるので、机を倉庫か何かに入れると先生もみんないると思ってしまう。


中1くらいはよく行っていたんだけど、中3とかになると行かなくなりまして、高3になるとますます行かなくなりました(注:「学校には実は行っていた、授業は『ときどきさぼっていた』程度である。奥監督はホラを吹くくせがあるから困るんだ」という情報が関係者の方からよせられました。「信用できない語り手」というやつですね。その点をお含みおきの上、奥監督インタビューはご覧ください。)学校に行っても教室にはいないで、むしろ田舎のヤンキーの方が行っているんじゃないかなと・・・楽しませてもらいました。美術部には偉大な先輩の蜷川さんがいらっしゃったんです。ぼくは美術部と軽音楽同好会と、演劇部とあとワンダーフォーゲル部(注:「本当はワンダーフォーゲル部に所属していなかった」というホラ疑惑も関係者の方からうかがいました。どちらが本当かは読者の方の判断にお任せしますが・・・人の言葉は、額面通り受け取ってはいけませんねー」)とコンピューター同好会。


ワンダーフォーゲル部は、キャンプの道具をみんな持っていたから使えると思ったんです。一回も山にはいっていないけれど、だいたい学校内で泊まっていました。よく言うのは、修学旅行の話なんですが、みんなと話していて「行ったところ」が食い違っているのです。修学旅行は道後温泉に行ったつもりになっていたんですけれど、広島から道後温泉に行かなかった?って聞いてもそれは「お前だけだ」と。


僕と4、5人が行っていて、蔵前も僕らだけであと宝塚は他に誰も行っていませんでした。「あれ、自由行動じゃなかったの?」というと普通は街の中で自由行動をするのだけれど、僕は市外や四国に行ってしまいました。それで先生も追いかけるのが面倒くさくなったようです。そして京都くらいで合流しましたね。その日は自由行動としか言われていなくて「ホテルに帰れ」とは言われていなかったんです。


今日は自由行動ですと言われたから良いのかなと思って、オールナイトで京都まで行ったんです。よくあるのが自由に使って良いよと言われて本当に自由に使うと、怒られるんです。「そんなに自由に使って良い訳ではない」というんです。よくあります。


江藤 ドロップアウト組で、周りにたくさん勉強している人がいて「そいつら詰まらないな」とは思っていなかったですか?


奥 詰まらないなとは思っていなかった。その時々で自分で楽しいので、迷惑をかけていることも分かっているんですが。迷惑をかけているというのは、最近分かったんです。だけどが自分が楽しいからいい、ずっと中学や高校の文化祭がいまでも続いているような生活です。中高の時も結構デニーズにたまっていて、いまも打ち合わせでデニーズによくたまるのであまり変わっていないですね。ただ中高の時に出入りしていたデニーズは、水で身体を洗っているやつまでいたので、さすがに出入り禁止になりました。


 

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