1兆円規模上場を日米で同時に目指していると噂されていたライン社が、9月22日に前触れもなく、上場の見送りを発表した。
広報の説明では、海外展開の方を上場よりも優先したいということだ。しかし実際の上場見送りには何の背後にはもっと直接的な、語りにくい隠された理由があるのではないか。結論からいうと、LINE社はおおっぴらに語らないものの、実は収益の柱が法的にグレーなまとめサイトビジネス、「NAVERまとめ」と「ライブドアブログ」であることがネックの一つと思われる(もっとも同社はニュースリリースなどではこの点に触れてこなかった)。
だが公表資料を読み解くと、法的にグレーなこの「まとめサイト」ビジネスが同社の収益源としていかに重要かがみえてくる。
(東証が上場の可否を判定する上場審査ガイドライン。法令遵守体制の確立と、重要事項の開示が要請されている。)
7月に出されたプレスリリース「業績についてのお知らせ」によれば、4月から6月にかけての3ヶ月間で売上は212億円である(子会社ふくむ)。
このリリースには書いていないが、LINE社は、NAVERまとめとライブドアブログ、ポータルサイトLivedoorを運営しており、媒体資料によればアクセス数は莫大だ。
まず、NAVERまとめが月間で23億PVを集めている。ここで得られる広告収益を直接に示す資料は公開されていないものの、1PVあたりの収入は予想出来る。いわゆるアフィリエイト広告(グーグルやアマゾンのクリック広告)を付けた場合、月間1PVで0.2円〜1円になるというのが相場と言われる(注1*)。
すると、LINE社が得ているアフィリエイト収入はNAVERまとめの月間23億PVに1PVあたりの広告単価0.2円〜1円をかけて月に4億6000万円〜23億円と推定できる。従ってNAVERまとめからの広告収益は、3ヶ月に13億8000万円〜69億円で同期間の総売上212億円のうち、NAVERまとめからの収入が約6%から30%を占める(注2**、注3***)。