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日本からアメリカへ大規模サイバー攻撃 ひろゆき氏の関係するホットリンク社インサイダー報道などが着火点【2ちゃんねる分裂事件】

2014年4月22日16時34分

日本からアメリカへ大規模サイバー攻撃 ひろゆき氏の関係するホットリンク社インサイダー報道などが着火点【2ちゃんねる分裂事件】

大規模掲示板2ちゃんねるの運営権、乗っ取り騒動をうけて、同掲示板の旧運営陣と契約を結んでいたネット上の炎上防止サービス業・ホットリンク社(東証マザーズ上場)の4月1日に出した声明と西村博之氏(通称ひろゆき氏)の発表が火種となって飛び火を起こしている。




(「新規上場申請のための有価証券報告書 (Iの部)」というホットリンク社が東京証券取引所に2013年11月1日に提出した文書によれば、ひろゆき氏は未来検索ブラジルの取締役であり、東京プラスの代表取締役でもあったとされる。)


まず2ちゃんねるの内紛で、管理者権限を西村博之氏が失い、サイトのサーバ管理を担当していた元・米国陸軍のジム・ワトキンス氏が運営権を奪取を開始したのが今年の2月19日だった。その影響で、ホットリンク社が2ちゃんねるの投稿内容を、従来の管理者の西村氏らとの契約通りに入手できなくなる等というトラブルが生じていたのだが、この事実は一般に知られることはなかった。




(4月6日に出された、インサイダーの事実を否定するホットリンク社の声明。)


しかしホットリンク社長の内山幸樹氏がちょうどこの2月19日に、8億円分の自社株を売却していたことが判明。さらに、内山氏が「トラブル発生当初から」ひろゆき氏とともに提携して事態の解決にあたってきたと述べたことから、2月19日に重大な自社の業務へ重大な支障が生じたにも関わらず、これをアナウンスすることなく株を売り抜けた、インサイダー取引を行なったのではないかという疑惑が浮かび、報道された。


もっとも、その後の内山氏のFacebookへの投稿と、ホットリンク社の声明ではインサイダーについては否定されて、また3月に入ってからで株式の売買に問題はなかったとしている。


しかし、問題はホットリンク社に留まらず、同社と契約を結んでいた西村博之氏およびその関連企業にも生じてくる。というのは2ちゃんねるの管理権を失ってしまった状態では、「独占的な契約」の通りのサービスをホットリンク社に提供することが出来なくなってしまうと思われるからだ。



民事・刑事へと発展する可能性があるという不穏な声明だが、これらがどのような事件を指す意味かは不明。また、むしろなおさら早めに発表するほうがよいのではないかという素朴な疑問も湧く。)


これを受けて、西村氏は管理権を失ったもともとの2ちゃんねる 2ch.net と別の掲示板 「2ch.sc」 を設立してやはり「2ちゃんねる」を名乗り、2ちゃんねるが2つ出来る分裂状態となった。このウェブページは、もとの2ちゃんねるの書き込み内容を同氏の新しく設立した掲示板にコンピューターでコピーしたサイト(いわゆるミラーサイト)で、追加でそこにユーザーが投稿を重ねることが出来るというものだ。さらに同氏はもとの2ちゃんねるにあった「転載禁止」の文言をコピーする際に削除、同氏の関連して広告収入を得ているとみられる、いわゆるまとめサイトビジネスへ解放することを匂わせている。




(西村氏は現在、2ちゃんねるの商標登録を出願中であることも、2ちゃんねるユーザの調査で分かっている。)


ところが、このコピー行為の方法が大きな問題を呼んでいる。西村氏はもとの2ちゃんねるに、自動的なコンピューターのプログラムを巡回させるクローラ(スパイダーともいうことがある)を使用しているために、大きなダメージをもとの2ちゃんねるが受けた。これにより、たびたびサーバコンピューターがダウンして、アクセスが不可能となる事態になり、もとの2ちゃんねるのユーザーは大きな不便を被ることになり多くの不満が上がった。




(2ちゃんねる内のアクセス監視システムでは、4月13日等に大規模な負荷がかけられた記録が保管されている)


更に疑問が上がったのは、これがコピーではなくサイバーアタックなのではないかという点だ。クローラというプログラムの大規模な使用は、受け手のコンピューターに大きな負荷をかけるサイバーテロの一種(DoS攻撃)と同様の作用を持つ。そして、実際に2ちゃんねるのコンピューターが度々ダウンをする事態にいたって、ユーザーからさらに不満を呼ぶことになった。なおこのDoS攻撃は、原理としては初歩的だがいまだに効果的で、大企業や米国政府等のウェブサイトをダウンさせることもままある。


もっとも西村氏によれば以上のロボットプログラム使用は「自らの所有するデータのバックアップ」に過ぎないという説明である。だが、2ちゃんねるの側でアクセス記録を観察すると大規模なダメージの多くはsakura.ne.jpといいうホスト名からの通信に起因することが判明。このホストは西村氏の2ch.scのサービスに使用され、またクローリングにも使われたとみられるプロバイダであるさくらインターネット(東証マザーズ上場)の新宿区にあるサーバーからのものと見られる。そして現在2ちゃんねるの管理権を持つジム・ワトキンス氏の使用するサーバは米国のカリフォルニア州にある。


従って構図としては国境を越えて、日本国内にあるさくらインターネット社のコンピュータ→米国内の元アメリカ軍人の所有するコンピュータへとサイバー攻撃が、2ちゃんねるの内紛を契機に行なわれていることになる。


この行為は日本では刑法第234条の2「電子計算機損壊等業務妨害罪」などに当たる可能性(岡崎市立中央図書館事件・参照)とともに、アメリカ合衆国へのサイバーテロとして米国の刑法に触れる可能性もある。


一方、ひろゆき氏も当初より、自身のサイトで4月1日に出した声明で、新たな運営陣に協力するボランティア(2ちゃんねるはあくまで「無償のボランティア」が運営するという建て前であり、事実おおくのボランティアの協力で運営されていた)に対して、不法行為として訴訟を提起する用意を示唆した。これもユーザーの感情を加熱して紛争の激化に拍車をかけたとみられる。



(ITメディア社が保管して、記事に掲載したキャプチャ画像より転載)


なお、上記画像でひろゆき氏の主張する合計5000万円相当の海外送金がそれぞれ事実とするとマネーロンダリングを防止する等の目的から設けられている外為法の定める500万円相当額を4回超えているので、その度に法所定の手続を財務省に行なわなければならない。だが果たしてその手続きが取られたのかどうかや、数億円の損害賠償について確定判決の債務名義をもたれており、銀行口座の所在も不明の西村氏が、どのようにしてその資産を保管していたのかは不明である。



財務省ホームページより


さらに、生じてくるのが著作権法違反の可能性だ。西村氏の新サイトは現在も、コンピューターでもとの2ちゃんねるをコピーした内容を掲示している。しかし今の2ちゃんねるの投稿規約では、ユーザーは管理者のジム・ワトキンス氏の経営する米国企業レースクイーン社へ著作権を委ねることとなっている。従って、西村氏の新サイトが自動的に2ちゃんねるの内容をコピーする行為は著作権法の違反に当たる可能性が高い。


なお仮にドメインの乗っ取りが不当であるという西村氏の言い分を前提としたとしても、全てのユーザーがもとの2ちゃんねるに投稿を行なう際に西村氏のサイトへ転載することについての同意を意図していたとまでは言えず、やはり現段階での、ユーザーの許諾を得ない無断転載の合法かどうかは相当に問題性がある。(日本では親告罪のため、著作権者の告訴がなければ刑事裁判のいわゆる起訴をすることができないが、米国連邦法では告訴は不要である。)


今現在のところ、ホットリンク社の株式取引を巡って、日本政府の当局がインサイダーとして捜査を行なったという情報はなく、またサイバーアタックについても、さくらインターネット社では現在のところ同社のサーバーからDDoS型のサイバー攻撃が行なわれた旨は認めていない。


しかし2ちゃんねるをめぐる些細な内紛と思われていた事件で火がついて、日本、アメリカ間でのサイバー攻撃と、著作権法、名誉毀損やインサイダーと多額の資金の流れをめぐる事件に至る可能性も生じて、極めて複雑で大規模な事態に発展しつつある。


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