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日本政府 福島第二原発訴訟の記録を『紛失』  情報公開請求で判明

2014年1月22日06時57分

日本政府 福島第二原発訴訟の記録を『紛失』  情報公開請求で判明

2011年の福島第一事故後に、福島第一と福島第二の両方について設置許可の無効を争う訴訟を提起した原告が、証拠収集のため、過去提起された「福島第二原子力発電所原子炉1号機設置許可処分取り消し訴訟」の関連書類一式を情報公開請求したところ、経済産業省下の原子力安全・保安院(現在は原子力規制委員会)が書類を紛失していたことが分かりました。




2.(2)にある「該当する行政文書ファイル名と実際の文書が一致しておらず、開示決定後改めて行政文書を捜索したが存在しないため、不開示とした」が、福島第二の訴訟記録を紛失後、そのファイルに東海第二原発の裁判記録を取り違えて保管していたことが判明したという部分です。情報公開請求の対象となった最初の福島第二訴訟は、1975年に提起され、1992年に国側の勝訴で確定している事件です。


開示決定の出た後に筆者が、文書を読むために経済産業省を訪れて、公開されたァイル一式を読んでいたところ、裁判所が水戸地方裁判所であったり、裁判が提起した時期がおかしいことなどしました。これを受けて、開示請求者(筆者)が、この文書は別の「東海第二原子力発電所の原子炉設置許可処分取り消し訴訟」の記録ではないのですかと指摘したところ、経済産業省の職員が認めたものです。

(なお、書類が消失していたのは、公文書管理法の定める保管期限切れ前です。)


その後、あらためて福島第二の訴訟記録を探したものの、見つからないままになって上記画像のとおり連絡を受けました。(残っていれば、歴史的価値もかなり高い文書だったと思うのですが。)


国の原子力行政を巡っては、諸々のミスや不十分な審査体制などの指摘を受け、透明性などを向上させる目的で組織改編が行われて、原子力規制委員会が当時の原子力安全・保安院の職務を受け継いだとされています。しかしながら、いままでのところ、この書類の紛失に関して国、原子力規制委員会の側から公表などはされておらず、現在の原子力行政の透明性にも依然として不透明さが残ります。


またそもそも、福島第二の重要な裁判記録をなくして、そのファイルの中になぜか東海第二の裁判記録を入れてしまっていたことに気付かず、情報公開請求をした者の指摘を受けて初めて気付くというずさんな管理体制で、果たしてどれだけ正確に原子力施設の安全性審査が行えるのかどうか疑問です。


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(江藤貴紀)


 

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