3月17日、東京の外国特派員協会で駐日ウクライナ大使のイーホル・ハルチェンコ氏が午後3時から記者会見を行なった。
その中で大使はクリミアに軍を駐留させたロシアの行為は野蛮で、文明化された社会の基本的な国際法を違反するものであると批難。また、「私が強調したいのは、我々の抗議はロシアの政府に向けたものであることだ。ウクライナの人々と、ロシアの人々同士は良好な関係を保っている。今回のロシアの行動はそれを破壊しようとするものである。私が見たところでは、プーチン氏は歴史を学んでいる。しかし彼は非常に短い『共産主義の歴史』をよく学んでいるだけだ。あたかも、ソビエトが1991年に滅ぶことなく続いており、自分が書記長であるとかんがえている様に見える」と述べた。
(イーホル・ハルチェンコ・ウクライナ特命全権大使 東京:外国特派員協会にて)
そして「これはアメリカの問題でも、ロシアの問題でも、ドイツやフランスの問題でもない。ウクライナの問題なのだ。いま、クリミアをロシアの中に編入することはまるでクリミアをフィンランドや日本の一部にするのと何も違わない」とも主張。
95%が賛成をしたというクリミアの住民投票に関しては「そのような種類の民主主義なら私は知っている。私が成人したとき、私の国はソ連の一部だった。初めて私が選挙権を行使した際の結果は、99.6%の賛成票が入る圧倒的な多数決だった。この種類の民主主義は、マネジメントされた民主主義で、ウクライナに本来ある民主主義とは違う」との見解を示した。
ウクライナが受けたとされる大規模なサイバーアタックについて、国際法上の武力行使に当たると考えるかという本紙の取材に対して、翌日、同大使館のユーリ・一等書記官が回答。「今世紀においてサイバー攻撃は戦争の手段となった。またこれらはロシア側が行なったものであると確信している。これに対して我々は、サイバー攻撃への反撃へ打って出る世界でも有数の専門家部隊を有している。今現在、駐日大使館において本国との通信に支障はない」という。
一方ロシア側も、15日の国営放送「ロシアの声」などを通じて、「(ウクライナ政府の首都)キエフからの応答はない」としながらも、ロシアがサイバー攻撃を受けたことについての批難を伝えている。
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【取材・文 江藤貴紀】
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