米国で、ロシア・トゥデイというニュース局が(http://rt.com/)人気である。
司会者の女性はだいたいグラマーな体型をして、ゴージャスなドレスを着ている。髪も巻いていることが多い。「いかにもアメリカ」という印象の女性でアメリカのニュース番組のパロディのようである。(たまにスマートなイケメンのときもある)
論調は非常にリベラルで、アメリカ主義的だけれど、この点、3つの点でおもしろい。
まず言うまでもなく、表現の自由が抑圧されているとされているロシアが、自由の国を標榜するアメリカで自由にものをいっているところ。実際、スノーデン事件などアメリカ国内でセンシティブなニュースについては、多くのアメリカメディアよりも率直な放送をしている。
でもこれは見方を変えるとアメリカを攻撃する、ないしアメリカ国内に揺さぶりをかける一種のプロパガンダということも可能である。だが往々にして、批判者のいうことの方が的を得ていることがある(たとえば北朝鮮情勢について、北朝鮮国内よりも海外メディアの方がおそらく客観的な報道をしているだろう)。
おせっかいかもしれないが、このニュース原稿を書いている記者の気持ちが気になる。ロシア国内向けの番組では行使できない表現の自由を(アメリカ国内向けに限定されたかたちでも)エンジョイしているようでもある。
なお、この放送局の特徴として英語が非常に聞き取りやすい(CNNなどより、ずっとゆっくりしています。)。たぶんそれで、米国で増加している非・英語ネイティブのヒスパニック系移民などに支持されていると思われる。
最後に、このRTのロゴはイギリスのロイター通信(Reuters。世界最大の通信社)をもじっているようにも見える。これがロシアンジョークだろうか。
まだデータがありません。