(LINE社が同一住所に子会社を作って立ち上げた送金・決済事業LINE Payの説明画面より)
韓国ネイバーの子会社、LINE(本社、渋谷ヒカリエ)がアプリ「LINE」の説明が置いてあるホームページのドメイン名をline.meとしていたことと、この.meというドメインはモンテネグロ国のものであること、そしてモンテネグロでの拠点として届出られている住所名がロシア語の10月革命(ソビエト革命・ボリシェビキ革命とも)番地130号であることが分かった。
URLについては、通常は法人本体が存在して実際のビジネスを本拠としてやっている国でドメイン名を取ることが多いと思われるところ、一体なぜLINE社がモンテネグロのドメイン名を取得したかはやや不可解な点がある(*)。
また住所の記載「Oktobarske Revolucije」は聞きなじみがないが検索するとロシア語の10月革命であると分かる。「和製アプリ企業」として売り出されていたLINE社に、ロシアとのゆかりがあるというのは意外に聞こえるかもしれない。だが実は親会社NAVERのCEO金相憲氏は、ロシア最大のフリーメール企業Mail.Ruの社外取締役を勤めているなどすることが分かっている。
(ロイター通信社、企業情報ページより)
つまりロシアとネイバーは人的に強い結びつきがあるので、、旧ソビエト圏に子会社LINEの情報「ビジネス」の拠点が存在してもそれほどおかしくはない。実際、Who.is記載のHP運営社・登録者兼連絡先の電話番号:+382.81601303もモンテネグロの国際局番382とちゃんと一致していた。
ただ実際問題として普通に知られている限りはLINE社の拠点は日本のはずであり、モンテネグロの住所と電話番号をコンタクト先にするのは、利用者間のトラブル発生の際の連絡というWho.is登録の趣旨を没却してしまう。
(日本レジストリサービスの説明より)
とりわけ、line.meはアプリのLINEに加えて、送金決済サービスのLINE Payの規約、そしてトラブルの問い合わせ先として一元化してある問い合わせフォームが掲載されたアドレスである。
そして、実はその問い合わせフォームへのリンクでもリンク切れが生じており、弊社の指摘を受けてようやく12月29日に修正するまでは、未回収という出来事もあった。こういうことなどを考えると余計、ちゃんとした連絡先を記載しておいてもらわないとトラブルの際に対応できなくて困るという心配が増してくる。なお念のため登録先のモンテネグロ国の国際電話に電話したところ、ずっと受話器が上がったままの状態であり連絡が付かなかった。
(2014年12月27日時点でのLINE Pay利用規約ページを記録したもの。問い合わせフォームがリンク切れになっていた。いまは修正されている)
*ただ、1つの理由としてはmeという響きが良いというのもあるかもしれないが、ドメイン名を.jpにしないとそれ以上に効果として日本の紛争処理手続から管轄逃れをすることで、訴訟で敗北するなどした後にドメインの差押えなどを回避できる等というメリットは考えられる。
(21世紀におけるインターネット政策の在り方(平成13年情報通信審議会諮問第3号)より)
最後に、共産主義的であるという理由で昨年末に大統領令と裁判所の判決で「統合進歩党」所属の国会議員5人を解職するほどに、表面上は反共主義的な国家体制の韓国における代表的IT企業ネイバーの重要部門であるLINE社が「ソビエト革命」を運営社の拠点としているというのはとても悪い冗談のような気がする(ただ、旧東側では共産主義関係の歴史的出来事を住所・地番に使うこと自体は珍しくなくて、例えば中国の都市に行っても「革命路」などの表記にはよく出くわす)。
この報道後、1月3日になってLINE社はドメイン登録者情報を東京の渋谷ヒカリエに変更した(1月4日追記)。
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【小西隆】
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