ドイツ国内の、大学など複数の研究機関が2000年以降で10億円以上の契約をペンタゴン(米国・国防総省)と結んでいました。これらは、たとえば「昆虫は砂漠でどうやって暗闇を移動するのか」など名目上は無害な内容になっていますが実際には武器やドローン(無人攻撃機)の砂漠での動作を制御するためのものだったと報じられているものです。
端緒は11月22日に複数のドイツメディアで取り上げられてからで、大きなスキャンダルになっているそうです。
そしてドイツはレオパルト2ですとかの兵器も立派に輸出しているくらいで憲法や法律レベルの違反がある訳ではないけれど、大学内部での「民政用以外の研究は行わない」という自己規律に違反している場合が多くあるそうです。
ちなみに、専門家のお話として引かれているところによると、米国国防総省はアメリカ下院議院の決議で「外部と契約を行なうときには、軍事目的のものに限られる(唯一医療だけは例外)」と拘束とされています。いっぽう、ドイツ国内で問題となっている複数の研究機関は、内部コード的にグレーゾーンな場合も含めて報告等が義務づけられているにもかかわらず、それを行なっていないということでした。
実際は分かってやっていたけれど、タブーだったので黙っていたのがスノーデン事件をきっかけにいろいろ思惑があって出てきたのでしょうか。なお日本国内ではあまりこれに触れているメディアがありません。
(雑誌「軍事研究」11月号 出典:Amazonより。 表紙のイプシロンロケットはもちろん民政用です。)
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