NHKが全面出資しているDVD販売会社NHKエンタープライズの商品において、従来の人気コンテンツに付いて字幕を付けることを誰もかんがえていなかったり、それに国際的には常識となっている外国語字幕を付けることを長年にわたり怠っていたことが分かりました。
これは、NHKエンタープライズ社の吉原晋也氏らへの独自取材の結果明らかになったものです。
一時間ほどのインタビューにおいて、まず、「いないいないばあっ!」をはじめとする乳幼児向けコンテンツでは字幕を付けるというアイデアが全くなかったと吉原氏は述べています。その理由は「幼児言葉で字幕が意味が無いから」だそうです。
しかしながら、幼児番組であってもディズニーアニメなどでは字幕を付けるのが普通ですし、NHKの各種版権をとった本においても子ども言葉で文字が付いており、それで子ども恥を覚えていく訳です。決して安くはないDVDを販売しておきながら字幕を付ける気もないと言うのは「教育テレビ」のコンテンツの無駄遣いと言うべきではないでしょうか。(実はyoutubeにも著作権侵害ながら、よく「いないいないばあっ!」はあっぷされてるのですが、その場合に日本語字幕を付けている方もおられて、NHKとYOUTUBE投稿者のどちらがいい仕事をしてるのかという問題になります。)
そもそも、その直後くらいに放送される「えいごであそぼ」では放送も英語字幕付きで行なわれてまして、「教育テレビとNHKエンタープライズは日本語と英語のどっちを大事にしてるんだ」といいたくなります。
これは、多くの児童がかなり長くの時間、NHKのコンテンツを見て育っているという多くの保護者のコンセンサスをもとに考えると、幼少期における教育において相当に大きな損失では無いでしょうか?
また国際的に人気のあるとされるテレビドラマ「おしん」に関しても国内版DVDでは長らく英語などでの字幕が付いていません。これには二つ問題があり、まず(1)日本に来て日本語を学ぼうとする外国人が日本語の音を聞きながら母国語の字幕で内容を理解すると言う学習ルートが妨げられるとともに(2)日本人が「おしん」を見ながら英語の字幕などを見て外国語学習の役に立てると言うこともできなくなります。
このように、他言語を人気DVDに付けないのは異例のことで外国製コンテンツのアメリカ版DVDなどでは複数言語の字幕が入っていることが珍しくありません。せっかくの人気コンテンツを、現役社員の企業努力の無さが台無しにしているというそしりを免れないでしょう。
NHKについては訴訟・非訟を問わず裁判所を経由する強引な受信料の取り立て方と、国際的に見た発信力の低さが問題視されている中、スタッフの質の低さとそれを産む構造的要因がどこにあるのかの追求が今後ますます求められます。
なお、同社の現社長、今井環氏はNHK政治部からの天下りです。あまりコンテンツ制作にゆかりがないと思うのですが、NHKグループの人事ルーチンでしょうか。
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