東京ビッグサイトで10月22日から23日まで、全国からの食品物産展が地銀36行主催で行なわれた。今回は640社が出展するにぎわいとなった。
ブースのほとんどが試食コーナーを設置。まず、会場入り口付近では、鹿児島県志布志市志布志町の株式会社霧島湧水が、ミネラルウォーターのペットボトルを配布して、来場者ののどを潤していた。
ご当地の食材を出している企業が多く、山形ミートランドからは山形牛のユッケが出品。それまではユッケ生産を行なっていなかったが、厚生労働省の規制を機にビジネスチャンスが出来たと判断。同社の技術力ならば国の定めた新基準を満たすことが可能と考えて、また他社のなかなか出せない敷居の高い商品であるところに眼をつけて、ユッケ分野に進出したという。
レアな食材としてはフランス料理等で用いられるホロホロ鳥を「株式会社ジャフラトレーディング株式会社」(茨城県)が出品していた。同鳥はフランス料理の高級食材として用いられるイメージが強い。だが、実はホロホロ鳥は熱帯産で、ローマ時代に北アフリカからヨーロッパにもたらされており発情の季節が日本では夏に限られている。
そのためコンスタントにひなを生育するのにハードルが高く他社は乗り出さないということ。納入先としてはミシュラン(2011年版)でいうと、三ツ星レストランが5つなど高級店が多いという。
意外なところでは、北陸銀行主催のブースには北海道の企業が多く、8個出展。その経緯を尋ねると、明治以降北海道に北陸から進出した人が多いという。そのため同行の支店も北海道には100年前からあるということで、日本の歴史を感じさせた。
また緊急災害時などのときのための保存水も、にがり大手の赤穂化成(本社・兵庫県)などが出品。同社はスーパーマーケットで売られる豆腐のにがり(塩化マグネシウム・化学式はMgCl2・6H2O)シェアで50%以上をしめるにがり大手。もともとにがり等の生産で培った海水関係の技術を活かして採掘した海洋深層水も製造する。
ペットボトルの容量は450ミリリットルと1900ミリリットルで他社製品よりも少なめを表示。いずれも最初は500ミリリットルと2リットルずつ入っているが、5年間たって保管の間に少しずつ蒸発するとそれくらいになるということだった。
なお、どの会社もふんだんに製品を振る舞っていたため、仮に平均10グラム食べたとすると6400グラムの量になり、文字通り「食べきれない」ほどの食品が陳列された。この数字は、CoCo壱番屋の普通もりカレー(ご飯で300グラム)のご飯量の20倍ほどになる計算となる。
来場者は「お腹いっぱいです」との感想だった。
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