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「ひろゆきは2chの管理人に戻ったけど、警察が来たころは管理人じゃなかったので我々は違法捜査の被害者」2ちゃんねる国賠訴訟・ブラジル社見解

2014年6月16日15時47分

「ひろゆきは2chの管理人に戻ったけど、警察が来たころは管理人じゃなかったので我々は違法捜査の被害者」2ちゃんねる国賠訴訟・ブラジル社見解

西村博之氏(いわゆる「ひろゆき氏」)が取締役を務め、2ちゃんねるの関連業務を行なう未来検索ブラジル社が、警視庁と大阪府警からうけた捜索差押が違法だったとして、110万円の国家賠償を請求する事件の審理が2014年6月16日、東京地裁で行なわれた。


同事件は2013年の2月に提起され、光伸法律事務所(こうしんほうりつじむしょ)の山下弁護士を代理人とする原告側は、ひろゆき氏がすでに2ちゃんねるの管理人を2009年に退いており、また未来検索ブラジル社は単なる2ch関係の広告業務等を扱っているに過ぎないと主張。それにもかかわらず、捜索差押でコンピュータ等を差し押さえたことに正当な理由は無く、違法であるとして損害の賠償を求めている。


しかしながら、今年にはいって、この主張の前提を掘り崩す情報があらわれてくる。発端としては4月1日に、ひろゆき氏がとうとつに、2ちゃんねるの管理人・所有者は自分(シンガポール法人)であるのに、不正に2ch.netをのっとられたとして、今後、その運営に協力するボランティアへ訴訟も行ないうるとする声明文を発表。


このことにより、今まで自分は2chと無関係である(そのため損害賠償請求などは払わない)と言っていたのに、真逆の言動に出たことでユーザのフラストレーションを刺激する。そして、2chのデータ販売や「火消しビジネス」を手がけるホットリンク社の有価証券報告書を匿名ネットユーザーが発掘したところ、2ちゃんねるデータを同社へ販売しているのは「未来検索ブラジルと東京プラス」であるとの記載が判明した。(東京プラス社は、ひろゆき氏が代表取締役である。なお同じく東京プラス取締役の竹中直純氏は、未来検索ブラジルの親会社ディジティミニミの社長でもある。)


さらに、ブラジル社が起こした国家賠償請求事件の訴訟記録を本紙が確認したところ、運営と密接に関係する不適切投稿の削除業務を統括する「削ジェンヌ。」と呼ばれる人物と、ブラジル社の上坂哲氏が削除ツールのメンテナンスについて連絡をしていたことがわかった


従って、ブラジル社やひろゆき氏が「2ちゃんねるの運営とは無関係」と述べていたことの根拠は、自らの起こした裁判の証拠等をきっかけに崩れはじめているのではないかと思われる。そのことは、裁判の中で争点とならないのだろうか。


6月16日の裁判閉廷直後に筆者がこの件について山下弁護士にインタビューしたところ、(1)「裁判上では、被告(警察)側から西村博之氏が再び2ちゃんねるの管理人であると今年4月に宣言したことについての言及は無い」(2)「いまひろゆき氏が管理人と主張していることから、『当時もそうだったんじゃないか』みたいな言い方も可能なのかもしれないが、今と昔は別の問題である」という旨の回答を得た。(裁判で警察は突っ込んでくれなかったようなので、筆者が突っ込んでおいたことになる。)


したがって、「今は管理人と言ってるけれど、前は違いました」ということである。もっともそのとおりとしても、いつどの時点で所有権が移転していたのか、果たしてその場合に租税法なり、外為法上の手続きなりが所定の通りとられていたのか等の問題は別途に税金や刑事罰の関係で浮かんでくる。そしてもちろん今後、2ch関係の損害賠償請求が民事裁判で行なわれる場合には、あらためてブラジル社の削除への関与やひろゆき氏の「管理人宣言」が問題となる余地がある。


警察側がこの点に付いて言及しないなど、謎の多いこの事件であるが、捜査の帰結だけ見れば本来の狙いは別にある、「別件捜査」だった可能性が浮き上がる。すなわち、2ちゃんねるを巡る不透明な資金の流れにまつわるマネーロンダリングの捜査である。


実際、訴状によると西村博之氏は「平成21年にシンガポールの会社に,その事業を譲渡し,管理人を退いた。」とされていたものの、この訴訟の提起された後、2013年8月にこのシンガポール法人「パケットモンスター」はペーパーカンパニーでありこの会社への送金は西村氏個人のものへと国税当局に認定された。そして、西村博之氏は国税当局の認定を争わずに、1億円の追徴課税へ応じることになったが、この国税による摘発の背景には、麻薬特例法違反と威力業務妨害容疑で、警察が捜査した証拠からの通報があった旨が報道されている)


一方、麻薬特例法違反では不起訴処分となったため、現時点での実質的なひろゆき氏へのダメージは海外送金・マネーロンダリング関係資料の差し押さえであったことになる。そして実際、差し押さえを受けた物品の多くは「2ちゃんねるの組織像」と「カネの流れ」に関するものである。


実際、捜索して差押された物品は、果たして「威力業務妨害容疑」や(麻薬売買の書き込みを削除しなかったことによる)「麻薬特例法違反の幇助容疑」と微塵でも関係しているのだろうか怪しいものが含まれる。この点も、未来検索ブラジル代理人の山下弁護士に「今振り返ってみると、実はやはり別件捜査だった可能性はありませんか?」とお聞きした。


これについて山下弁護士のお答えは「報道でしか関知していないので、何とも言えない」ということである。しかし、この事件を本気で争うつもりならば、報道を見ただけとかでいい加減に済ませずに、別件目的での捜索差押だったという攻め筋もじゅうぶん考慮に値すると思われる。すると(1)この訴訟は余り本気で争う気がないか(2)「別件」を主張しはじめるとやぶへびなので、あえて未来検索ブラジル側は避けようとしている、のどちらかだろう。


なお筆者は後者の印象を強く持っている。実際この事件で、差押を受けた物品は海外送金伝票、仮想通貨関係のコンピュータ資料等のマネーロンダリングに関係する資料が多く並んでいた。


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