タニシ(英語名 pond snail)を使った実験の結果、強いストレスは記憶のプロセスを障害する可能性があると言う知見が出た。
カナダのカルガリー大学と、イギリスのエクスター大学の共同研究の成果として、インド紙hindu が伝えた。両大学の研究者は、タニシを訓練して複数のストレスがかかる環境に、毎日置いたところタニシ達は学習したことを思い出すことが出来なくなっていたという。
この研究はインパクト・ファクターことIF(学会での影響度・引用頻度)の高い学術誌 PLOS ONE に発表されたものであるが、知見の成果としては複数のストレスを同時に受けることで累積的に記憶力の減退が見られた点が新しいという。
現在エクスター大学に席をおくセラ・デラスマン博士は「様々な種類の精神的な負荷が、いろんな気苦労をしている人間も含めた動物にたいしてどのように異なった影響をもたらすものであるかを示す点で重要である」と述べている、とのことである。
今回使われたタニシは、心理的負担に対する反応がほ乳類と実は似ており、また脳のニューロン回路が大きいために、記憶形成の過程を研究するのに有益であると言うことである。
この複数の心理的な負荷をかけられた哀れなナメクジ達はーー意図的に酸素の欠乏する環境かに置かれて、息をつくのを苦労する目に合わされていたという。それに加えて、タニシの健康な成長に不可欠なカルシウムもわざと欠乏する拷問をうけた上に、タニシの人口密度まであげられて精神的に絞り上げられていたそうである。
これらの実験の結果、一つのストレスを受けたのみの場合には、まだタニシたちは長期記憶の形成に低下が見られたものの、数分単位の短期記憶に関しては保つことが出来たという。しかし受ける負荷が複数であった場合には全般的に記憶力が低下すると言うことであった。
インド紙hinduがなんでこの話題を取り上げようと思ったかとか、タニシの長期記憶って何なのかなどについては、記事を見る限り定かではないが、海外にもタニシがいると言うことは、弊社の編集部にとっても新たな発見であった。
なおhinduというとなじみのない名前かもしれないが、スノーデン事件・NSA報道についてもいくつかの第一報を出しているしっかりした報道機関である。
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