安倍内閣で閣僚19人のうち、15人が現在メンバーとなっている政治団体「日本会議」が、ウェブサイトのドメイン登録者情報を、あり得ない+99.999999999999番という電話番号で登録していた。who.is というドメイン情報調査ウェブサイトで発覚した。
日本会議についてはその性格と活動内容について議論があり、例えばイギリス・エコノミスト誌は2013年に「ナショナリストのシンクタンク」と呼ぶなどしている。(ただ、この団体は国会議員の会員が250人を越えるともいい、ある程度の規模があるので、そうすると無難に「お付き合い」で入るくらいの団体と言う感もある。)
(日本会議出版物の表紙。人によっては、これは引くかもしれない)
ところで、ウェブサイトで独自のドメイン名を登録するに当たっては住所、電話番号の公開が義務的となっている。法律レベルでの規定ではないが、世界的にはICANNが、日本では一般社団法人JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)が定めており、事実上これに従わないとドメイン名登録とIPアドレスの割り当てが受け入れられない。
これは、何かの場合に持ち主に連絡をとれるようにする必要性が認められているためである。こうすれば確かに、ドメイン所有者の個人情報などが晒されるデメリットもあるが、それよりも、そのウェブサイト情報を公開するメリット(例えば、そこのサイトがサイバー攻撃の踏み台に使われているという通報が必要なとき)の方が大きいと判断されていることによる。
一般社団法人JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)の説明(このリンク先参照)が分かり易いので例にひくと、登録義務制度については「電話番号・住所の公開を望まない組織・個人のインターネット利用を不当に制限するものとはなりません。インターネッ トプロバイダーのサービスを利用すれば自らドメイン名・IPアドレスの割り当 てを受けることなくウェブの閲覧・出版、電子メール送受信等、基本的にすべ ての形態でインターネット利用は可能」として正当なものとして解説されている。
ひるがえって日本会議は、ウェブサイト自体をみると実は03の電話番号で連絡先を書いてはいる。おそらく別に悪気があって偽情報を載せたという風なことでもなく、騒ぎ立てするほどのことでもないという考え方もあるのだが、その場合そもそもコンタクト情報登録制度の趣旨を担当者が理解していなかったということになる。なのでそうすると別の意味で不安な気もする。
多くの閣僚が参加している団体の実体(この団体の存在と名称自体、筆者は近年になって知った)が分かりにくいというのはやや気味の悪いものもある。
国内ではこの規程違反(虚偽情報の登録)に対して、刑事法上の直接的な罰則はないもののプロバイダーの契約条項に違反しているとして、一方的にサービスを解約されるなどの原因にはなり得る。なので日本会議(会長 三好達・元最高裁判所長官)は早くルールを理解して、ちゃんと本当の電話番号を登録した方が良い。なお第二次安倍内閣を巡っては、週刊新潮の報道から発覚した政治資金収支報告書の虚偽記載で、昨日の10月20日に小渕優子経済産業大臣と松島みどり法務大臣が同時に辞任したばかりである。
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