Menu
エコーニュースR(2015年5月〜)はこちら

ロシアとオランダが暴力の応酬〜 意外な2国の関係から『外交』を学ぶ

2013年11月7日10時00分

ロシアとオランダが暴力の応酬〜 意外な2国の関係から『外交』を学ぶ

児童買春は殺人に次ぐ扱い

児童虐待の容疑といったらなにかというと、児童虐待という表現にしているんですけれども、通常は、児童買春ですね。自分の子供を殴ったとかそういったたぐいの話じゃないですね。ちなみに、児童買春ということになった場合には、ヨーロッパの基準はものすごい厳しいですから。殺人罪に次ぐぐらいの扱いになりますからね。


そうすると、これは大事なことなんですけれど、8日にプーチン大統領がオランダ政府を非難すると同時に謝罪の要求をしたんです。そして9日オランダ政府はロシア外交官の不可侵権を侵害したことについて外交官の身分に関するウィーン条約、国際法違反があったことに謝罪したんです。


そしたら今度は10月15日、モスクワで在ロシアオランダ大使館のオンノ・エルデンボッシュ首席公使、大使館のナンバー2に電気工事を装って、人がきたんですね。それを家に入れたらぶん殴って出て行ったというこういう話なんです。


そもそも、オランダとロシアの関係というのはそんなに悪くないんですよ。ピョートル大帝もオランダに行って、船の作り方を勉強していたわけですからね。それからオランダっていうのは、ロシアの中で特殊な役割をしているんです。これはソ連時代からなんです。ソ連とイスラエルが国交を断絶していたときも、オランダはイスラエルの利益代表だったんです。ですから実際は、イスラエルの外交官が、オランダ政府の職員という偽装をしてオランダ大使館に勤務していたんです。


ちなみにキューバのハバナ、スイス大使館に400人くらいがいたんです。そのスイス大使館には、スイス人ということを偽装して、アメリカの国務省の人間が勤務しています。国交が断絶していても利益代表国というのがあるんです。その利益代表国が信頼している国、要するにロシアが信頼している国じゃないと利益代表として認めないんですよ。それぐらい、後ろではオランダとロシアの関係はいいわけですよ。


ところがこの関係が急速に悪くなるのが先月の9月20日なんです。ロシアにバレンツ海という海があるんですね。これは昔の強制収容所とか、そういうものがある程度あったんです。1年のほとんどの季節、マイナス何十度で、強い風がぴゅうぴゅう吹いているんですね。今ぐらいだったら雪が降っていますよ。


そのバレンツ海の領海じゃなくて、排他的経済水域に櫓をたてて、そこから海底油田を掘ろうとするロシアの基地があるんですね。そこのところに、オランダに本部を置く、国際環境保護団体グリーンピースの活動家たちが無断進入したんです。


30人て、毎日新聞に出ていますけれども、調べてみましたら、活動家は28人ですね。2人はジャーナリストです。ジャーナリストを含めて拘束しているんです。ソマリア沖の海賊と同じ容疑で捕まえているわけです。どの国でも捕まえたら罰することができるんです。国内法で。ロシアの場合は国内法では15年(の禁錮刑)ですね。そうすると、海賊罪で捕まえるということは、絶対に実刑を食らわして刑務所にぶち込んでやるということなんです。


オランダの世論は、別に人を殺めたわけじゃないし、機材を壊したわけじゃないと。しかもロシアの領海じゃなくて、公海上の話だ、確かに無断進入というのはよくないことだけれども、これはやりすぎということで反発する。オランダ政府も、逮捕された人たちの人権には関心がありますよというだけなんですよね。そこでロシアがオランダはなんでこんな因縁をつけてくるんだなったんですよ。


そこで起きたのが10月5日なんですね。オランダ警察によって一時拘束されたんですが、これについては、10月4日に国営会社のロシアの声がこんなことを言っています。「ロシアはオランダ駐在のロシア大使館員が暴行をされたことに関連し、オランダ側に文書で厳しく抗議した。」まず文書で抗議するっていうのは口頭の抗議より重いんです。


 

人気記事ランキング
 

    まだデータがありません。

ページトップへ戻る