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ロシアとオランダが暴力の応酬〜 意外な2国の関係から『外交』を学ぶ

2013年11月7日10時00分

ロシアとオランダが暴力の応酬〜 意外な2国の関係から『外交』を学ぶ

オランダとロシアが犬猿の仲になっている?この2国の外交関係はあまり注目を浴びてこなかった。しかし神は細部に宿るという。方や英蘭戦争で敗北するまで、400年前の世界最強国の1つであり、もう一つは冷戦の東側陣営のトップであり、現在のスノーデン事件で一気にある種の影響力を増している国だ(今年のフォーブス誌が選んだ「世界で一番影響力のある人物」には、プーチン氏が選出された。)。また実は江戸時代の日本にとっても、唯一の欧米世界との正面窓口はオランダであったいっぽうで、ロシアとの関係も1739年に始まっている(元文の黒船)。この2つの国がいま、お互いに外交官への暴力や謀略の応酬にあるという。それから見える外交の本質とは何か~それを、10月24日に衆議院議員会館で行われた勉強会で・元外務省の佐藤優氏とかつての「外交族」」のドンともいうべき鈴木宗男・新党大地代表らと語った。(文中、敬称略)


当日・勉強会の第1回 小泉純一郎氏・脱原発へ転換の背景とは? 佐藤優氏らが語る【エネルギー政策】


鈴木宗男:今日は、あまり新聞記事の話題にはなっておりませんが、今ロシアとオランダが非常に機微な緊張関係にあります。外交官を拘束して政府が抗議しているというようなことが起きているんです。佐藤さん、詳しく説明してください。


佐藤:まず、10月23日の毎日新聞に、こんな記事が載りましたので引用します。(編集注:ネット版のタイトル「オランダ:ロシアとの外交関係悪化 海底油田開発めぐり」です。ハイパーリンクは編集部が追加)


「オランダ船籍の活動船に乗った国際環境保護団体グリーンピースの活動家ら30人が北極圏でロシアの海底油田開発に抗議し海賊行為罪で起訴された問題を巡り、オランダとロシアの関係が悪化している。オランダ政府は21日、30人の釈放を求める訴えを国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)で起こした。外交官が相手国で逮捕されるなどの事件も起き、関係修復は当面難しそうだ。


拿捕事件は先月18日に発生。グリーンピース側が平和的な抗議活動だったと主張しオランダ政府も釈放を求めたが、ロシア側は最長15年の禁錮刑が科される海賊行為罪で起訴した。このため、オランダ政府は30人の待遇改善をはかるため提訴を求めた模様だ。


ロシアも加盟する国連海洋法条約は、排他的経済水域(EEZ)で拿捕した船舶や乗組員を保証金と引き換えに釈放することを定めている。ただ、国際海洋法裁判所の釈放の判断は、他の事件に影響しないため、釈放されても海賊行為罪の裁判は続く見通し。


オランダは、提訴とは別に今月初めから同条約に基づく仲裁も求めており、釈放裁判と同時並行で進める。オランダは今月初めハーグで、ロシアの外交官を外交官特権があるにもかかわらず、児童虐待の疑いで一時逮捕し、ロシア側に謝罪した。16日にはモスクワでオランダの外交官が何者かに暴行を受け軽傷を負っている。」


こういうニュースです。これは、少しずつ大きく扱われるようになってきたんですけれども、私はこの問題が、かなり早くからいくつかのメディアに書いてあって、新聞がそれに注目したという要素もあると思っています。

それじゃあ、流れを見ていきます。まず、10月5日、オランダは首都がアムステルダムですが、ところがほとんどの大使館はハーグという街にあるんですね。ですからハーグが事実上の首都みたいなものです。ハーグで在オランダロシア大使館のドミトリ・ボロジン公使(公使というのは大使の次に偉い人です。)が児童虐待の容疑でオランダ警察に拘束された。


 

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