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傍受疑惑のLINE社 韓国政府による盗聴の有無、政府へ確認せず

2014年7月25日20時53分

傍受疑惑のLINE社 韓国政府による盗聴の有無、政府へ確認せず

韓国の諜報機関、大韓民国・国家情報院(旧・KCIA)により全ての通話とメッセージ情報を収集されていると、今年6月にファクタによって報道されたLINE社が、事実の真偽について政府への確認を行っていないことが本誌の情報公開請求により明らかになった。


もし寝耳に水の話ならば大慌てして問い合わせする問題のはずだが、あまりLINE社には慌てる話でもなかったようである。 また、ファクタ報道が誤報やデマである可能性を感じているならば、同社の信用に関わる大問題であるから、やはり日本政府へ問い合わせするのが普通である。だが、LINEにとってはどちらでもなかったようだ。



発端のFACTA報道によれば、日本政府の内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)が、韓国の国家情報院との協議で、LINE社データの傍受をしているとの情報を受け取ったとされる。


この報道をうけて同社は森川亮社長がブログで報道内容を否定するコメントを即時に発表し、また広報部も弊誌の取材に対して事実を否定していた。しかし、「日本政府や韓国政府に、この協議が事実かという確認はとったのか」という極めて簡単な質問に対して返答が無かった。


そのため、韓国政府によるユーザ情報の傍受について、日本政府側へLINE社が事実かどうかを確認した文書を、弊誌が日本政府に対して情報公開したところ、LINE社からは全く日本政府へ確認がされていないということが分かった。また本件の所管課は「内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)」(旧・「内閣安全保障室」)であり安全保障マターとして日本政府がとらえていることも判明。


一方で、韓国政府との上記協議内容を知ることが出来る文書については、その存在の有無事態が外交関係などについての秘密情報であるため、文書の存在自体を返答しない、不開示の決定が情報公開法に基づいて下された。(存否応答拒否という対応)


このLINE社による不作為は何を意味するのだろうか。日本に4000万人のユーザを持っているとされるLINE社(全ての株式を持つ親会社は韓国企業ネイバー(NAVER)であり、またNAVER社の株式は韓国政府の協議と承認の元に同国の政府年金運用基金から出資されている)はユーザのプライバシーに関わる極めて重要な報道について、事実の確認を日本政府に行うという最低限の努力すら行っていなかったことになる。


とするとLINE社にはよほど能力か意欲が欠けているか、それともデータの傍受をもう当たり前のこととして受け止めているかの、どちらかだろう。いずれにせよ莫大な量のスマートフォンデータと、それへのアクセス権限を預けるには不穏な会社と思われる。さらに本紙が既報の通り、日本政府の警察官僚など情報機関幹部や、有力政治家の秘書など同社が正社員に採用しようとしていたことも、ますます同社の日本国内での活動目的について疑念を抱かせる。なお現在、同社は東証に上場を申請しているが、東証の上場申請審査部門が以上の問題をどう判断するかは不明である。



(上場審査機関・ウェブサイトより。**)


では、仮に、残念ながらLINE社のデータが韓国政府に取得、保管されていた場合にはどうなるのか。また第三国に漏れるなどの危険はどれほどあるのだろうか。今の時点で収集できた情報量の中で、検討したい。


この点、FACTA発行人の阿部重夫氏は傍受問題についてのLINE社への再反論で(文脈はやや違うが)「これはカウンターインテリジェンス(防諜)の問題であり、民間企業には手の届かない世界であることはよくお分かりのはずです。」として、国家による防諜メカニズムへは民間企業では対抗できないという旨の指摘をしていた。


確かに、韓国ではインターネットの通信監視と検閲は広く合法とされており一定の実効性を持っている。例えば国家保安法に基づく、Gメール内容のパケット監視・盗聴は合法という憲法裁判所判例が存在する。また、ネット上の検閲システムも政府が主体として運営しており、韓国において「不適切なサイト」へは広くアクセスを遮断(リンク先・参照)している。



(韓国・警察当局による「韓盾」の警告画面。韓国国内から「不適切情報を含むサイト」へアクセスしようとすると強制的にこのページへ飛ばされる。)


実際、筆者が1週間の出張で、韓国国内から幾度か日本のあるサイトへアクセスしたところ、3日目ほどからアクセスが禁止された。古くからあるがあまり有名なサイトでは無いので、突如遮断されたことを考えると、筆者によるアクセスが探知されて接続が禁止された蓋然性が高い。



(警告画面をグーグル翻訳にかけてみたところ、国家保安法、エッチ、著作権などがアクセス遮断の根拠のようである。)


 

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