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ヤフー、ランサーズ、クラウドワークスのクラウドソーシング各社 「まとめサイト」案件を仲介 違法性の指摘を認めず

2014年8月28日13時01分

ヤフー、ランサーズ、クラウドワークスのクラウドソーシング各社 「まとめサイト」案件を仲介 違法性の指摘を認めず

回答を分けた明暗の差 事業を開始したタイミングと企業の官僚組織が影響している説 

あくまでこれは仮説になるが、ひょっとして各社の回答の差を付けたのはそれまでの案件処理件数であったといううがった見方も出来る。つまり、自分のところが今までこなしていた事業が、違法だと認めたらとても面倒なことになって損害賠償などくらいかねないし担当者の社内での立場もまずくなるかもしれないという考慮である。


そうすると、もっともまともな回答を提出したジョブハブが、ランサーズやクラウドワークスほどは利用者が多くないこと(失礼)が説明可能だ。また、今年8月に開始したMy Yahoo!でのまとめブログ配信サービスは、指摘から3日ほどですぐに中止したヤフージャパンが、2013年3月から開始していたクラウドソーシングについては、うちは知ったことじゃないという旨の回答をよこしたことも納得出来る(ちなみに、「うちは知ったことじゃないというが、御社はそこからコミッションを得てるんじゃないですかね」という質問をしているが、まだ回答がない。)。


念のためであるが、筆者も弊社も、今回まともな対応を下と評価したパソナグループとは何の関係もない。竹中平蔵さんの大ファンでも決してあり得ない。また、実はランサーズは複数回にわたって利用させてもらったことがあるし、別に利用する上で不満を持ったりしたことはなく、むしろ便利でよい仕組みと感じたことも付記しておく。


ちなみに、意思決定に組織構造が影響を及ぼすと言う角度からの分析は全く新しいものではなく、キューバミサイル危機(世界が全面核戦争になる危険があった)の分析をした国際政治の古典的名著「Essence of Decsision」(邦訳「決定の本質」)でも何でこんなアホなことを世界でいちばん賢いレベルなはずのホワイトハウス高官達がやってしまったのかという本でも使われたフレームである(注3***)。


なお外国例だが、韓国ではポータルサイトおよび検索サービス最大手のNAVER社が後発他社のサービスを模倣した結果としてインターネットのビジネスが不健全な生態系になったという指摘がある。同じ事を孫正義さんらが日本で行なわないことを祈っておく。


あとはっきり言うと、「まとめ」がはやってグーグル・アマゾン等(これらの企業も、著作権法違反の幇助を犯していると認定出来る余地がある。)の広告がそれに流れた結果として弊社のようにときどきは法的リスクを負いながら、コストもかけて一次報道をやっているところが割を食っている現実がある。それが主に、「まとめブログ」のコンプライアンスについて弊社が取り上げる理由である。


(注1)LANCERS社が検討した「各種法令」がどの法令か分からないので正午過ぎに、同日午後5時を期限に再質問してある。検討済みなので、即答出来るはずである。しかし、翌日の8月29日午後8時を過ぎても回答がない状態である。


(注2)ただ監督官庁で関係する方面に通報しまくって、行政処分や指導をさせて当該企業の信用を下げ、「まとめ案件」を継続することの経済的合理性を失くすという方法は有り得る。また、ランサーズやヤフーは上場企業なので金融庁や東証で上場法人のコンプライアンス遵守や上場廃止を審査するJPX(リンクはこちらをクリック)へ情報提供をすることは可能である。


(注3)なお、この本のタイトルのパクりで「失敗の本質」とかいうのが日本で出て我が国の中で「エラい」とされている人たちが書いていたが、全く元祖に及ばない本である。ただ、原書は素晴らしいものの「決定の本質」の和訳は筆者は読んでいないので出来がちゃんとしているかどうかは分からない。


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