Menu
エコーニュースR(2015年5月〜)はこちら

「ストレス性腹痛が女性に多い傾向」との研究

2013年9月25日21時21分

「ストレス性腹痛が女性に多い傾向」との研究

ストレスがもたらす種類の腹痛は、女性に多いのかもしれない~35万人の大規模な対象を用いて調査した結果が明らかになった。近年、よく耳にする「ビッグデータ」の一種にレセプト(診療報酬明細書と調剤報酬明細書)がある。

このたび得られた知見は、日本医療データセンターという会社がその統計をとって出た結果である。このデータ自体はとても貴重だが、じつはその意味について一部の医師らとの間で論争になっている。


さて、このデータはサンプル数だけでなく、金額ベースでもとても大きい。その全体を集めることが出来れば国民医療費「36兆円」相当のビッグデータになり得るのだ(「厚生労働白書平成23年度版」参照)つまり、医療費の内訳とその使い道がわかるビッグデータなのだ。


この35兆円が大きいかはピンと来ないかもしれないが、スイカの売り上げや消費税と比べてみると、その額は群を抜いている。例えばスイカの売り上げが2008年のデータでは2.7兆円である。また、消費税5パーセントの税収額が現在約10兆円である。つまり、スイカの売り上げ額に対して約14倍、消費税額の約3.6倍なのだ。現在、消費税が5%から8%に値上げされることが検討されているが、それでも増収幅は6兆円程度となるので、国民医療費の額の方が、ダブルスコアで大きいことが分かる。


ただ、「レセプト」という冒頭の用語が多くの読者には聞き慣れないかもしれないので捕捉する。これは単純化を恐れずに述べるならば、保健医療機関を利用した内容とその金額的な内訳である。つまり、医師のつけた診断名や、処方された薬の名前などが網羅的に書かれていて、その経済的な内訳も把握できるというわけだ。


そして2002年からこのレセプトデータに着目して、その収集と分析を用いた研究を進めている企業が存在する。東京都港区にある、日本医療データセンター(以下、JMDC)である。同社は、現在時点で、個人ベースいうと毎月130万人分のデータを収集可能でこれまでに蓄積して、分析可能なデータの総件数は4000万件という。JMDCは、健康保険組合から得られた大量のレセプトデータに、プライバシーのプロテクションを施して分析し、各種研究機関や医療系企業に提供する会社であるという。


医学の世界では近年、統計的なエビデンスに基づいた医療の必要性が提唱されているが、強力なエビデンスの多くは今まで国外からやってきていたことが多い。しかし、日本では、国民皆保険制度 が導入されている。この制度のため、レセプトのデータは国内の医療行為や薬の処方に関する網羅性が非常に高く、応用次第では日本が医療・公衆衛生の分野で世界を牽引するポテンシャルがあるのだ。従って、非常に公益性の高い事業で有り、本来は研究者、もっと言えば国が率先して取り組んでいてよい分野なのである。


次ページ:汎用性は無限大?

 

人気記事ランキング
 

    まだデータがありません。

ページトップへ戻る