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タワレコ社長「アイドルはコントロールしやすいから個人アーティストより重視します」

2013年8月5日21時47分

タワレコ社長「アイドルはコントロールしやすいから個人アーティストより重視します」

2013年6月23日、タワーレコードの嶺脇育夫社長が外国特派員協会に招かれて、講演を行った。デジタル化が進む潮流の中で、CD販売という「アナログ産業」の代表とも言える人物が、今後の日本の音楽産業についてもつビジョンを表明した。また講演の中で、いわゆるAKB商法のほか、複雑に入り組んだ国内の権利関係や再販制度といった難しい問題点について嶺脇社長はどう語ったのだろう。


日本は音楽「CD」の売り上げで世界一位


最初に自己紹介から始めましょう。私は1988年にタワーレコード渋谷に入って、その後、池袋など店舗を15年ほど経験しました。そして2011年から、今の役職に就いています。


タワーレコードの簡単な歴史についてお話ししますと、はじめてタワレコが日本に進出したのは1979年、その翌年に札幌に一号店をだしています。現在では全国各地に86店舗を展開しています。そしてMBO(マネジメント・バイ・アウト)でいまはアメリカから独立しています。


すでに報道にあるように、日本が初めて、音楽CDの売り上げが世界で一位になりました。日本のCDセールスは13年連続で前年を割っていましたが、2012年は上回りました。デジタル配信ですが、こちらは同年からマイナスで成長しています。


この、デジタルが後退してCDが伸びるというのが世界のトレンドと大きく違うと思います。そしてこれは、日本の特殊性があります。


第一に、時限再販制度というものです。これは、ある一定期間、決められた値段でしか売れない法律です。これにあてはまるのは、本やCD、新聞などです。それで値段が自由に決められないのです。それがほかの市場と大きく違います。


それから配信についてですが、ガラケーからスマホに携帯のトレンドが移ってきたのに、それに配信業界が対応できなかったのではないかと私は思っています。また、日本にはレンタルショップという独自のビジネスがある、そしてPCにCDを取り込めるといった外部的環境があるということも海外の市場とは大きく異なっていると思います。


さらに、日本のCDセールスが好調なのは、CD単体での販売ではなく、握手権やDVDなどの付加価値を付けるといったメーカーの営業努力も理由だと思います。AKBやジャニーズ、K-Popなどの商品はこれらが積極的で、それがセールスに繋がっています。昨年のオリコンチャートをみると72タイトルがアイドル系といっていいものでした。


しかし日本でCD市場が順調とも、私は思っていません。去年最も売れたのはMr.ChildrenのCD、つづいて桑田佳裕、松任谷由実、山下達郎など、つまりCD世代のアーティストばかりだからです。


 

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